2023年、第1回大会の開催から数えて100年を迎えるル・マン24時間レース。WEC世界耐久選手権の第4戦として、6月10〜11日に決勝レースが開催されることはすでに発表されていたが、ACOフランス西部自動車クラブは12月14日、そのレースウイークのスケジュールを発表した。
2023年のWEC/ル・マンには、最高峰ハイパーカークラスにポルシェ、フェラーリ、キャデラックらが新型車両で参入を開始するなど、100周年イヤーにふさわしい盛り上がりを見せることが予想されており、ACOも「チケットは空前の売れ行きで、すべてのグランドスタンドが満席になる予定」としている。
走行セッションに関連する基本的なスケジュールは2022年を踏襲したものとなるが、各所に100周年を記念したイベントが盛り込まれている。
公式スケジュールは、6月1日木曜日に始まる。この日はサーキットに隣接するル・マン・ミュージアムで、100周年記念展示がオープン。過去にル・マンに参戦した60台以上のマシンが一堂に会するという。
6月2〜3日には昨年復活した市内での公開車検がリパブリック広場にて行われる。3日の夜には町議会が主催するイベントが行われ、ル・マン24時間の開催に貢献したボランティア、コースマーシャル、地元自治体の関係者を称えるセレモニーが行われ、ジェネラル・ルクレール通りをパレードする予定だという。
6月4日(日)は、テストデーとなる。レースにエントリーする各陣営にとっては、ブガッティ・サーキットの常設部分と一般公道をつなげた『ル・マン24時間サーキット』(通称、サルト・サーキット)を、本番のレースウイーク前に走行できる唯一のチャンスとなる。
なお、テストデーには初めてサポートレースが組み込まれ、リジェ・ヨーロピアン・シリーズのレースもこの日に行われる。
月曜の休息日を挟み、6日火曜にはサーキットが再び観客にオープンとなり、ピットロードではサイン会が行われる。また、2022年に初めて行われた『ピットストップ・チャレンジ』も開催され、メカニックがタイヤ交換の早さを競う様子も見ることができる。
またサーキットだけでなく、「一日の終わりには」多くのドライバーたちが市内中心部でもサイン会を行うという。
レースウイークの走行開始は7日の水曜日となる。午前中にサポートレースの走行が行われた後、WECのフリープラクティスと予選が行われる。ハイパーカークラスの上位8台、LMP2の上位8台、LMGTEアマクラスの上位8台は、翌8日木曜日に行われる『ハイパーポール』のセッションへと進み、ここで決勝の各クラス上位グリッドが決する。
金曜日は例年よりも早い午後2時から、おなじみのドライバーズパレードが市内で行われる。一方サーキットは午前中のサポートレースの後、一般にオープンとなり、観客は徒歩、あるいは自転車やキックボード、ローラースケートなど環境負荷の少ない乗り物で、誰もがコースに入ることができる。
また、午後には100周年を記念した大規模なパレードもサーキットで行われ、過去にル・マンを戦った名だたるマシンが走行する予定だという。
決勝レースのスタートは6月10日土曜日の現地時間16時(フランスが夏時間を採用する場合、日本時間23時)となる。決勝スタート前にも「車両とドライバーのパレード、パトルイユ・ド・フランス(空軍のアクロバットチーム)による展示飛行など、100周年を祝うさまざまな祭りが開催される」とACOはしているが、例年土曜日午前中に15分間行われているウォームアップ走行については、現在発表されているスケジュール内では触れられていない。
レースがスタートした後も、土曜日は花火やコンサートなど『100周年ショー』が行われる予定だという。レースは24時間後、11日日曜日の16時にフィニッシュを迎える予定となっている。
2023年のル・マンでは、100周年を記念した特別なデザインのトロフィーが授与される予定となっている。果たしてこのトロフィーは、誰のものとなるのだろうか。