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寒さ本番 冬タイヤは何選ぶ!? 2022最新スタッドレスタイヤ徹底チェック

 いよいよ雪のシーズン。今年の冬はスタッドレスタイヤを新調しよう!! ベストカー編集部による最新スタッドレスタイヤ徹底チェック!!

●今シーズンのスタッドレスタイヤNEWS
・ピレリ…ICE ZERO ASIMMETRICO発売(6月10日発表)
・グッドイヤー…ベクター4シーズンズGen-3発売(7月19日発表)
・ブリヂストン…ブリザックVRX3にSUVサイズ追加(12サイズ)(7月20日発表)
・ミシュラン…I-ICE SNOWに16サイズ追加(8月8日発売)
・ミシュラン…クロスクライメート2にSUVサイズ追加(8月8日発売)

※本稿は2022年11月のものです。実勢価格は編集部の独自調査による
文/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2022年12月10日号

【画像ギャラリー】2022~2023 今冬シーズンのスタッドレスタイヤカタログ(15枚)画像ギャラリー


■スタッドレスタイヤのサイズ選びは?

 スタッドレスタイヤのサイズは、基本的にはサマータイヤと同サイズとするのがおススメだ。

いよいよ冬タイヤの準備が必要な時期になってきた。慎重に選びたい

 タイヤには荷重を受け止める重要な働きがあるため、異なるサイズを装着すると、許容荷重が変わるため注意が必要だ。

朝晩などの冷え込みが厳しくなり、外気温が3℃を下回るようになったら路面凍結の危険性が高まる。スタッドレスタイヤの出番だ

 必ず「ロードインデックス」で示される許容荷重を確認してサイズ選定しよう。空気圧の設定も、基本的には運転席ドアを開けた車体部に示される数値に設定しよう。

■ブリヂストン ブリザックVRX3

ブリヂストン ブリザックVRX3。さらに進化した発泡ゴムでアイス性能を大幅向上!!

■どんなタイヤだ?

 ブリヂストンのフラッグシップスタッドレスタイヤの『ブリザックVRX3』がデビューしたのは昨シーズン。すでに装着してウインターシーズンを過ごしたというドライバーも多いだろう。

“ブリザック史上最高のアイス性能”を標榜し、より高い氷上性能を実現。そのキーテクノロジーとなっているのが「フレキシブル発泡ゴム」と呼ばれる最新発泡ゴム。水路の形状が楕円形状になるよう工夫されたことで、毛細管現象による高い吸水性能を発揮。効果的に氷上の水膜を除去することで、高い氷上グリップを発揮する。

東京小平の開発センターに隣接したテストコースでは突起路面なども設定されており、臨機応変な開発、テストが可能となった

 また、新開発されたトレッドパターンにより、接地圧の均一性を高め、氷雪路での高いグリップに加え、耐摩耗性能を高めているのも特徴的だ。VRX2に対し氷上制動性能を20%向上させたというから、その性能の高さは驚きだ。またライフ性能を17%高めているという。

左右非対称トレッドパターンを採用。ブロック剛性を高め、変形を抑えることなどで安定した接地を確保。これにより高い氷上グリップを発揮

 このブリザックVRX3に今シーズン、新たにSUVに向けた12サイズが加わった。

 ブリザックのSUV向けといえば『DM-V3』があるが、こちらはより本格的なクロスカントリー的なシチュエーションにマッチした特性で、例えば山間部の深雪などでの性能を重視している。

 SUVの多くは都市部で使われることも多く、そうしたユーザーにはミラーバーンでの制動性能に優れるVRX3がよりおススメだ。

 ハリアーやCX-60、エクストレイルなどに加え、新型クラウンクロスオーバーなどに対応したサイズもラインナップしているので、SUV、クロスオーバー車もブリザックVRX3が今冬のスタッドレスタイヤの選択肢に入ってくるだろう。

■乗ってどうだ?

 今回新たに加わったSUVサイズをドライ路、スケートリンクの氷上路面で試すことができた。試乗車はヤリスクロスとアウディQ5。

 ドライ路では、乗用車用サイズでも実感していたカッチリした操舵感が感じられた。スタッドレスタイヤにありがちな腰砕け感がない。

 今回は小平にあるブリヂストンの開発センターに併設するテストコースでの試乗もできたことで、意図的な急ハンドルなどでの応答性も確認したが、操舵に対する追従遅れなどはなく、安心感の高い舗装路性能を確認できた。

 都内一般道での試乗もしたが、特にスタッドレスタイヤであることを意識させない自然な操舵感、乗り心地、そして抑えられた高周波のパターンノイズが印象的だった。

アイススケートリンクは氷温を比較的高めに設定し、薄い水膜ができている状態。最も滑りやすい路面だが、しっかりとグリップ力を発揮した

 またアイス路では車重の重いSUVでもトレッド面の変形などを抑える設計により、しっかりとした接地面が確保されているのだろう。“びたー”と氷上面に粘りつくようなグリップ感があり、滑り出しも穏やかでわかりやすいので余裕を持った運転ができることを確認した。

●ブリヂストン ブリザックVRX3 サイズラインナップ
・135/80R12~225/45R21(全127サイズ)
・実勢価格:1万7500円(195/65R15)

■ヨコハマタイヤ アイスガード7

ヨコハマタイヤ アイスガード7。氷上性能と雪上性能のベストバランスを実現

 昨シーズン登場したヨコハマタイヤのフラッグシップスタッドレスタイヤ『アイスガード7』。アイス性能を引き上げるとともに、相反するスノー性能もバランスよく高めているのが特徴だ。

 新開発された非対称パターンはアイスガード史上最大の接地面積を発揮する設計で、しっかりと接地させることで確実な氷上グリップを引き出すことができるのだ。

アイス性能は接地面積の大きさが効き、雪上性能は溝などによるエッジ成分が効く。背反する性能なので両立には高い技術が必要

 今年2月、旭川にある横浜ゴムのテストコースで面白い体験をした。アイスガード7の構造、コンパウンドを採用したスリックタイヤで氷盤テスト路での制動テストをしたのだ。

 まずアイスガード7で試す。薄く水膜が発生する氷盤路にもかかわらず安定した減速を見せ11.5m付近で停車。

 続いて溝ナシスタッドレスで同じ速度からの制動をすると、盛大にABSが作動するものの、まったくツルツルということでもなく、滑走しながらもしっかりと減速をする。

 これはホワイトポリマーを配合した「ウルトラ吸水ゴム」の効果。

 低温下でもしなやかさを保ちながら水膜を吸水するため、しっかりと氷上に密着し、制動力を発揮するのだ。アイスガード7の倍以上の25m付近で停止した。

アイスガード7と従来品アイスガード6の氷盤路での制動距離の差。同条件で実際に走らせて、明確に制動力の差を体感する
トレッド面はツルツルだが、ゴムや構造はアイスガード7というスペシャルタイヤでテストした

 このゴムの性能に加え、トレッドパターンの工夫により、スタッドレスタイヤは高いアイス性能を引き出していることがよくわかる貴重なテストだった。

●ヨコハマタイヤ アイスガード7 サイズラインナップ
・145/80R13~265/35R21(全113サイズ)
・実勢価格:1万8000円(195/65R15)

■グッドイヤー ベクター4 シーズンズGen-3

グッドイヤー ベクター4 シーズンズGen-3。オンロードでの乗り心地を大幅向上させたオールシーズン

 オールシーズンタイヤを積極展開するグッドイヤー。『ベクター4シーズン』はその中心的タイヤだが、新製品が新たに加わった。

 特徴的なV字型トレッドパターンは変わらないが、ドライ路を走ると“シャー”という高周波のパターンノイズがグッと抑えられていて進化を実感。

特徴的なV字型のトレッドデザインはGen-3にも引き継がれる。圧雪路でのグリップに不安なし

 また、ドライ舗装路でトレッドの動きがしなやかで「じわー」とした接地感が特徴的。

 センターリブがないトレッドパターンゆえに気になった直進時からの切り始めのレスポンスにも違和感はない。

ドライ路面での高周波のシャー音は大幅に低減。ややトレッド面がソフトな印象だが、しなやかな乗り味は上質感がある

 2月に雪道での走行も確認したのだが、圧雪路でのグリップ性能に不安はなく、しっかりと雪を踏み固めて掴み取る。

 氷結路面以外であればまさにオールシーズンの使い勝手のよさがある。

●グッドイヤー ベクター4 シーズンズGen-3 サイズラインナップ
・185/65R15~255/40R19(全21サイズ)
・実勢価格:1万6000円(195/65R15)

■オールシーズンタイヤ 冬の道でどう使う?

 近年、国内タイヤメーカーも積極的にラインナップを増強しているオールシーズンタイヤ。その名のとおり、ドライ路から冬場の積雪路面までをカバーするタイヤで、不意の降雪時などにも対応するため、非積雪エリアのドライバーにとってはありがたいタイヤだ。

 ただしアイス路面での性能はスタッドレスタイヤと比較して大幅に低下するため、注意が必要。そのことを理解したうえで活用したいタイヤだ。

サイドウォールに示される山に雪の結晶を模したスノーフレークマークは、高い氷雪性能を証明する外部テスト機関によって与えられたものだ

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