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大前純史・画序 楽翁(らくおう)の旅 九 (文・永井紗耶子) すると吾郎(ごろう)は、ふふふ、と楽し気(げ)に笑う。 「先ほどお話ししました、絵本更科草紙(さらしなぞうし)を書いたのもこの人で、栗杖亭鬼卵(りつじょうていきらん)と号します」 定信(さだのぶ)はほう、と嘆息(たんそく)し…