1月15日、2022/2023年ABB FIAフォーミュラE世界選手権“シーズン9”の開幕戦となる第1戦メキシコシティE-Prixがメキシコで開催され、ジェイク・デニス(アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE)がシーズン初戦を制した。
シリーズ開幕から9年目となる2022/23年シーズン9のフォーミュラEは、戦闘機の空力にインスパイアされた新型“Gen3”シャシーおよびハンコックタイヤの導入や、新たに4つの都市が開催地に追加されるなどの新時代を迎え、より激しいバトルも期待される。
そんなシーズン9開幕戦の予選でポールポジションを獲得したのはルーカス・ディ・グラッシ(マヒンドラ・レーシング)となり、2番手にはデニスが続き、3番手にはジェイク・ヒューズ(NEOMマクラーレン・フォーミュラEチーム)がつけた。
これまでの45分+1周というフォーマットから周回数制に変更された決勝は36周で争われる。レースのスタートは全車クリーンな出だしをみせたものの、ターン10で他車と接触したロビン・フラインス(ABTクプラフォーミュラEチーム)がストップして早くもセーフティカー(SC)が導入される。
フラインスのマシン回収後、6周目から再スタートが切られるが、その直後にサム・バード(ジャガーTCSレーシング)のドライブシャフトが破損してしまいコースサイドにストップ、連続で2度目のSC導入となった。
レースは10周目にグリーンフラッグが振られ再スタート。12周目にはジェイク・デニス(アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE)がディ・グラッシをオーバーテイクして首位に立つ。レースは順調に進んでいたが、18周目の1コーナーでエドアルド・モルタラ(マセラティMSGレーシング)がクラッシュを喫し3度目のSCが入る。
その後レースは21周目にリスタートを迎えると、上位勢もアタックモードに入っていく。この間にもトップのデニスはペースを上げて逃げの展開に入り、2番手ディ・グラッシとの差を4秒にまで広げる。ディ・グラッシはペースが上がらず、ターン12でインを突いたパスカル・ウェーレイン(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)が2番手に浮上してくる。
34周目にはSC導入分のアディショナルラップとして5周の加算が発表されたものの、トップのデニスはウェーレインとの差を7秒以上に広げ安泰の走りを披露。完璧なエネルギーマネジメントをみせたデニスがGen3初レースのトップチェッカーを受けた。
2位はウェーレイン、3位はディ・グラッシという表彰台となり、アンドレ・ロッテラー(アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE)が4位、フォーミュラEデビューレースのヒューズが5位に入り、今季から参戦を開始したNEOMマクラーレン・フォーミュラEチームにポイントをもたらした。
日本メーカーのニッサン・フォーミュラEチームはサッシャ・フェネストラズがレース中にポイント獲得圏内を走行したが、ファイナルラップに順位を落としてしまい15位フィニッシュ、ノルマン・ナトはマシントラブルから2周目に緊急ピットインを余儀なくされリタイアという結果でシーズン9初戦を終えている。