フェラーリのスポーツカー・レーシングディレクター、アントネッロ・コレッタによれば、フェラーリは先日、2023年のWEC世界耐久選手権に投入する新型ル・マン・ハイパーカー『499P』で初の耐久テストを行ったという。さらに、3月のハイパーカー・デビューまでに2度目の長距離走行を計画している。
コレッタによれば、フェラーリは11月のWEC最終戦バーレーンの後しばらくして、スペインのモーターランド・アラゴンに向かい、499Pを24時間以上走らせることを目論んでいたという。
このテストでは信頼性に関わる「いくつかの問題」が発生したが、コレッタはそれが何であるかは明言しなかった。
フェラーリは24時間の完全な連続走行を完了しなかったが、テストが中止されたわけではないものと思われる。
一方でBMWは最近、来月IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にデビューし、2024年にWECに参加する予定のBMW Mハイブリッド V8でセブリングでの24時間テストに臨んだが、トラブルにより短縮して終了している。
WECとIMSAに参戦するメーカーは、2023年シーズンのホモロゲーションに向けて新車の開発とテストを行うというハードスケジュールに直面している。
「我々は最初の耐久テストを企図した」と、コレッタは語った。
「我々は、たくさん走った。あるメディアでは56時間と書いてあったが……正直に言うと、それは違う」
「正直なところ、我々にはいくつか問題があった。だが、それは普通のことだ。その問題をすべて解決することを望んでいる」
「次に、(開幕戦)セブリングの前に、2回目の耐久テストを開催する機会を得たいと考えている。我々は7月に(テストを)開始したが、できる限り多くのテストを企画する必要がある」
アラゴンのテストでフェラーリは実際にどれくらいの距離を走ったのか、という質問に対して、コレッタはこう答えた。「正直なところ、今は答えを持ち合わせていない」。
「そして、我々の将来の計画をすべて明らかにすることは避けたい。天候やコースの空き状況など、いくつかの要素に左右されるからだ」
フェラーリ、キャデラック、ポルシェが新しいプロトタイプマシンを投入する2023年のWECでは、信頼性が話題となることをコレッタは示唆している。
2022年にモンツァ、富士、バーレーンに2台のマシンを投入したプジョーも、9X8で初のフル参戦を行うが、彼らはこれまでに出場したすべてのイベントでマシントラブルに見舞われている。
「最初の問題は信頼性。それが来年の成功の鍵になると思う」と、コレッタは予想した。
「トヨタはもちろん(信頼性が)高いが、他のメーカーにとっての問題は競争力ではなく、信頼性だ。まずはチェッカーフラッグを受けなければならない」
「最初のレースは、すべてのライバルにとって簡単なことではないと思う」