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 FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは、モータースポーツの統治機関を率いた最初の年を振り返り、F1は混乱に陥らないようにするために厳格な管理が必要だと警告した。

 この数カ月、レース運営や現在のF1のレギュレーションの全体的な管理について多くの論争が起きており、FIAは批判にさらされてきた。2021年シーズンの最終戦アブダビGPは、レースコントロールの刷新とレースディレクターのマイケル・マシの辞任につながった。それでも2022年には、さらに疑わしい状況がモナコ、イタリア、鈴鹿で発生することになった。

 またFIAがレッドブルの予算制限違反に対処した方法についても、多くの議論があった。レッドブルは罰金を科せられ、空力テスト時間を削減されたものの、タイトルには影響がなかった。

 レッドブルF1のチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、授賞式でビン・スライエムがペナルティについて言及したことで気まずい思いをしたが、ホーナーは日本GPでのポイントの混乱について触れることで、ビン・スライエムから険しい反応を引き出した。しかしビン・スライエムは、金曜日にボローニャで開催されたFIA授賞式の記者会見において、今年初めにジャン・トッドから職務を引き継いで以降の自身のF1への対処について強気ムードで擁護した。

「F1は頂点だ。常に論争がある。そこには挑戦があり、チームは限界に達しようとしている。彼らは常に進むべき道を見つけたいと思っている。だからチャレンジングなのだ」とビン・スライエムは語った。

「そこでは毎時間が挑戦だ。それは健全なことで、素晴らしいものだ。だが我々FIAは注意すべきでもある。ここにはお金の面があり、適正なガバナンスが機能しなければならない」

「ルールなしでそれはあり得ない。ルールを修正し、更新しなければそれはあり得ない。そうしなければどうなるか? レスリングのようになるのだろうか? ガバナンスのないWWFのようになるのだろうか? いや、そこにはガバナンスがなければならない」

ステファノ・ドメニカリCEO&モハメド・ビン・スライエムFIA会長

 ビン・スライエムは、ワールド・レスリング・エンターテインメント(WWE)の名称で知られているアメリカのレスリングシリーズについて言及した。派手なキャラクターと漫画のようなアクションで知られるWWEは、スポーツとして真剣に受け止められるのに苦労しており、彼らはしばしば純粋なエンターテインメントして捉えられている。それはビン・スライエムがF1に望んでいる状況ではない。

「FIAには大きな課題があるに違いないことは承知している。新たな時代に向けて改善し、更新することだ」とビン・スライエムは続けた。

「今の電話のようなものだ。電話をアップデートしなければ、遅れてしまう」

「間違いなくチームとテクノロジーはどんどん進歩している。我々はそれに追いつくだけでなく、先を行かなければならない。それはレギュレーションと財務についてもだ」

「FIAは以前からのいくつかの問題を受け継いでいる。問題に対峙して掘り下げ、すべての事実を手にすることなしに、判断を下すことはできない。そうしてさらに前進するのだ」

「1年は挑戦だった。F1だけでなく、FIA全体としての話をしている。FIAは複雑だ」

「たとえばサッカーのような他のスポーツのレギュレーションを見てみよう。そこではゴールのサイズはひとつ、ボールのサイズはひとつであり、誰もが観ている」

「(だが一方で)カートについては、そこでのレギュレーションを想像してほしい。規制のすべてを想像してみてほしい」

「毎日が挑戦だ。だが、楽しめる挑戦だ」