東京オートサロンの日産ブースには、GT-R 2024年モデル&GT-R NISMO 2024年モデルを筆頭に、新型Zカスタマイズエディション、ルークススウィートコンセプト、セレナハイウェイスターアクセサリーコンセプトなど、怒涛の参考出品車の出品ラッシュ! さっそく、東京オートサロンの現場からお届けしよう。
文/ベストカーweb編集部
写真/ベストカーweb編集部
■これが最後のR35GT-R? GT-R2024年モデル&GT-R NISMO 2024年モデル
日産ブースの一番のトピックスはGT-R 2024年モデル&GT-R NISMO 2024年モデル。詳細な紹介記事は本サイトの別項に譲るが、今回、まだまだGT-Rが生き残っていくと分かっただけでも大収穫。
フロントおよびリア回りのエクステリアデザインを刷新し、GT-R登場以来初となるリアウイングの形状を変更。2022年モデルにもラインナップされていた2つのT-SPECも引き続き販売される。
GT-R NISMOは、さらなるダウンフォースを追求するために、空力性能を向上させるためにエクステリアを一新。+13%ものダウンフォース増加で、4輪の接地荷重をアップ。
また史上最高のトラクションマスターを目指して、フロントメカニカルLSDを装備することでコーナリング性能を向上させた。このフロントメカニカルLSD採用により、コーナリング立ち上がり時のフロント内輪差空転を防止し、コーナー出口で、以前のモデルに比べ0.6台分タイムが速いという。
GT-R2022年モデルは、新車外騒音規制に対応していなかったが、GT-R2024年モデルは法規対応するとともに、排気抵抗をキープしながら迫力のある新たなGT-Rサウンドを実現した、新構造マフラーを装着している点にも注目だ。
現在、ブランドアンバサダーの田村宏志氏は「2022年モデルは大反響と同時に、もっと作ってくれというお叱りを受けました。じゃあ、川口(車両開発主管理)に音消せば(編集部註:新車外騒音規制に対応するため)今後も作り続けられるからやろうよ」とコメント。
「R35GT-Rはこれが最後になりますか?」と車両開発主管の川口隆志に直撃してみたが「わかりません。それを決めるのはお客様、お客様がR35GT-Rを欲しいと言っていただけるまで、作り続けると思います」とうまくかわされたが、今回の意外に大きなエクステリアの変更やこの新車外騒音規制対応マフラーによって、日産は「まだまだ作り続けます」というメッセージなのだと受け止めた。
なお、GT-R 2024年モデルおよびGT-R NISMOの発表・発売日は2023年春以降を予定している。
■フェアレディZ カスタマイズエディション
昨年公開された、Z432Rをリスペクトし、伝統と最新技術の融合というコンセプトを具現化し、こだわりのカスタマイズを施した「フェアレディZカスタマイズドプロト」。
これまではあくまでもプロトタイプだったが、今回出品された「フェアレディZカスタマイズドエディション」は、あのカスタマイズプロトから進化した、市販版だ。
オーバーフェンダーこそ法規対応のために商品化されていないが、上下2分割グリルや大型リアルカーボンスポイラー、19インチのスポークホイール、Cピラーに装着されたZのエンブレム、ボンネットとサイドのステッカーなどがディーラーオプションで設定されるという。
会場にはカスタマイズエディションの横にオレンジ/ブラックのZ432Rと一緒に展示されていたが、新型フェアレディZの再来というべき仕上がりだった。コンプリートカーではなく、パーツ販売で、2023年秋の発売予定という。
■キャラバン パワードベース for PRO
さまざまな現場でプロの仕事をサポートする基地(ベース)をイメージした参考出品車。昨年はマウンテンベースコンセプトを発表したが、今年も新たなキャラバンを創造してきた。
このパワードベースfor Proは電気工事などガテン系の親方と若手の2人が乗車することを想定。朝仕事にいって昼休みにキャラバンに戻り、夕方に仕事を終えた後にまた戻ってくるイメージで、2列目シートのスペースには、親方が座ることを想定し、スポットクーラーやPC、電子レンジを設置。
リアゲート左右には、電動工具および充電器がスライドする棚に取り付けられており、ラゲッジ部分も重い荷物を載せやすいようにスライドする。
電源はなんと初代リーフのバッテリーセルをリサイクルしたポータブル電源になっており、市販化を目指しているそうだ。しかもソーラーパネルが取付られているから鬼に金棒だ。
まるでリモートワーク用の移動オフィスのようなカスタマイズだが、市販化の予定はなく、市販化されるのはポータブルバッテリーのみというから寂しいかぎりだ。
■セレナハイウェイスターアクセサリーコンセプト
セレナハイウェイスターアクセサリーコンセプトは、日産純正アクセサリーに、東京オートサロン出展に向けカスタマイズされたモデル。
フロントフードやフロントグリルの部分をラッピングし、カッパカラーをボディラインやホイールにアクセントとして入れている。
さらにダイナミックなフロントスポイラーやフロントグリルイルミネーション、室内の2列目オットマンやシートカバーは日産純正アクセサリーパーツなので実際に購入できるというのが大きなポイントだ。
■ルークススウィートコンセプト
このクルマを見たとき、さすがに「なんだこれは!」とぶっ飛んだ。軽自動車のルークスにガルウイング式ドアが装着され、なんとリアに牽引されているのは、ピアノと椅子。どこからこんな発想が出てくるのか、製作した担当者に聞いてみた。
「60代の両親が娘の結婚式の式場に行く際に乗ることをイメージしました。式の会場はワイナリーです。ターゲット層は50~60代で、昔高級車に乗っていたが現在はダウンサイジングで軽自動車に乗っていることを想定しました。軽だけどリッチで快適さも追及しています」。
女性に実際に座ってもらったが、まるで航空機のスィートクラスのようだ。背もたれの耳の付近にはハニカム形状の音響メタマテリアルや電源にはリーフのバッテリーをリサイクルしたポータブルバッテリーが使われているという。
で、市販化されるのですか? と聞いたが「市販化は考えておりません」との即答。そんなこといわずに、ぜひ、結婚式場運営会社がこれを見て、日産へ注文してほしい。
それにしてもピアノの生演奏を聴きながら、ゆったりと優雅な気持ちで走行しながら、式場へ向かう……、こんな夢のようなコンセプトカー、発想が凄すぎる!
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