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 あちこちで目にする英語の略号。CEOとかKPIとかETFとか、おっさんにとっては「日本語で言ってくれよ!」といいたくなることばかり。自動車の世界でも先進運転支援の領域では、LKAやLDWだの分からん用語があふれている。そこで運転支援の領域に的を絞って、謎の略号を解説しよう。

文/ベストカーWeb編集部、写真/AdobeStock、ベストカーWeb編集部

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■運転支援は謎の略号だらけ!

●ADAS

アダプティブ・クルーズ・コントロールやレーン・キープ・アシストなど、将来の完全自動運転へとつながる運転支援装置をひっくるめて「ADAS(エイダス)」と呼ぶ(ZinetroN@AdobeStock)

 アダスではなく「エイダス」と読む。「Advanced Driver-Assistance Systems」の略号で「先進運転支援システム(群)」のこと。アダプティブ・クルーズ・コントロールやレーン・キープ・アシストなど、将来の完全自動運転へとつながる運転支援装置をひっくるめてこう呼ぶ。

・用例「新しいクラウン、カッコもエグいけどADASもすごくね?」

●AEB

 エー・イー・ビー。「Autonomous Emergency Braking」の略号で「衝突被害軽減ブレーキ」のこと。センサーやカメラで前方を監視し、車両などに衝突すると判断した場合は自動でブレーキをかけるシステム。

 運転支援のきっかけともなった仕組みだが、年々性能が向上しており、現在では歩行者や自転車、暗所の検知性能を高めたものが導入されている。

・用例「AEBのお世話にならんようにちゃんと前見て走ってよー」

●ACC

 エー・シー・シー。一瞬「オートエアコンのことか?」と思ったりもするがそれはAAC(遠い目)。「Adaptive Cruise Control」の略で、日本語のお堅い名前は「定速走行・車間距離制御装置」。

 基本は定速で走るクルーズコントロールだが、カメラやレーダーで前方を状況を読み取り、前走車がいる場合はその速度に合わせて追随するもの。最近は追い越しを提案するシステムも登場している。いまやこれがないと長距離ドライブはいやだという

・用例「あーこのACCのブレーキ、初心者並み!」

●LDW

 エル・ディー・ダブリュー。「Lane Departure Warning」の略で「車線逸脱警報」のこと。カメラで車線を認識し、車線から逸脱しそうになると、ハンドルの振動や警報音で知らせてくれるもの。車線認識の軽装版ともいえるシステムで、近年は次に述べる「LKS」に進化しつつある。

・用例「このLDW、車線内をウロチョロしちゃってピンボールみたいだ」

■ソフトウェアをネット経由で書き換えるのは「OTA」

●LKS/LKAS

カメラで車線を認識して、走行ラインを維持するようにハンドル操作を助けてくれる、前出のLDWの進化版が「LKS/LKAS」。LDWが進化してLKS/LKASに? いよいよややこしくなってきた……(Gorodenkoff@AdobeStock)

 エル・ケー・エス/エル・ケー・エー・エス。「Lane Keep Asist (System)」の略で「車線維持補助装置」のこと。カメラで車線を認識して、走行ラインを維持するようにハンドル操作を助けてくれるLDWの進化版。

 ほとんどハンドル操作を必要とせず、車線内の右寄り/左寄りまで選べるものまであるが、あくまで車線維持の「補助」なので完全手放し(いわゆるハンズフリー)はできない。日産のプロパイロット2.0やスバルのアイサイトXのようなハンズフリーを実現するにはDM(ドライバー・モニター)機能が必要となる。

・用例「このLKS、アウト・イン・アウトで走ってるわ!」

●BSM

 ビー・エス・エム。「Blind Spot Monitor」の略で「死角監視」のこと。「後側方警戒支援システム」といった呼び名もある。隣車線の後方をセンサーなどで監視し、近づいてくる車両をミラーの警告灯などで知らせる。その際に車線変更をしようとするとハンドル操舵を重くして危険を知らせるタイプもある。

・用例「あっぶねー横クルマいたわーBSMに助けられた」

●CTA

 シー・ティー・エー。「Cross Traffic Alerts」の略号で「横断車両警報」のこと。狭い道から大通りに出る際などに、左右からくる車両や歩行者などを検知してドライバーに知らせる仕組みで、衝突すると判断した場合はブレーキをかけるものもある。

 駐車場からバックで出る際などに車両後方を監視する「リア・クロス・トラフィック・アラート」もある。

・用例「家の前の道が狭いんで、オプションのCTA付けたいわー」

●OTA

 オー・ティー・エー。「Over The Air」の略号で「無線によるデータ通信」のこと。今のクルマはソフトウェアの塊だが、そういったソフトウェアをいちいちディーラーなどに出向かず、携帯電話網などを使ってインストール&アップデートする仕組みをいう。

 自動車では米テスラがOTAの先駆けといわれるが、近年は多くの自動車メーカーがこの仕組みを導入しつつある。

・用例「ナビの地図が旧いなあ。OTAで更新できないかなあ」

*   *   *

 さていくつご存じだっただろうか。ここではほんの一部を紹介したが、まだまだクルマの略号はたくさんある。さらにメーカーごとに呼び名が異なっていたりして戸惑うことも多いが、クルマの進化を楽しむつもりで用語を覚えていくのも悪くないだろう。

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