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真備はためらうことなく仲麻呂の両肩をしっかりとつかんだ。「聞いてくれ、仲麻呂。今の日本はのるかそるかの岐路(きろ)にさしかかっている。俺は帰国して以来、橘諸兄(たちばなのもろえ)どのと前(さき)の帝をお支えし、律令制にもとづく整然とした体制を築こうとしてきた。また仏教の慈悲と平等…