フェラーリのカスタマー・レース部門であるコルセ・クリエンティは12月13日、2023年に『フェラーリ・チャレンジ・ジャパンシリーズ』を創設すると発表した。レース専用車両『フェラーリ488チャレンジEvo』を用いたワンメイクレースとして、2023年は4サーキット・5ラウンドを予定している。
ジェントルマンドライバーを対象としたフェラーリ・チャレンジはこれまで、ヨーロッパ、アジアパシフィック、ノースアメリカでシリーズ戦が行われ、2019年にはイギリスシリーズが設立されていた。今回のジャパンシリーズは、このイギリスシリーズに続く、世界でもふたつ目の単一国内シリーズとなる。
使用されるのは他のフェラーリ・チャレンジ・シリーズと同様の488チャレンジEvo。2023年は4月の富士スピードウェイを皮切りに、全5ラウンドのカレンダーが発表されている。開幕戦の富士は、全日本スーパーフォーミュラ選手権のサポートレースとして組み込まれることとなる。
富士スピードウェイホテルで行われた記者会見に登壇したフェラーリ・ジャパンのフェデリコ・パストレッリ社長は、今回日本に国内シリーズが誕生した背景について「日本が世界のトップ市場のひとつである」ことを挙げ、「大事な市場である日本でシリーズを行えることを誇らしく思う」とスピーチした。
フェラーリではサーキットでの走行経験を求めるオーナーのために、さまざまなプログラムを用意している。
サーキット走行経験がないドライバー向けの『コルソ・ピロタ』、レースをするまでには達していないドライバー向けの『クラブ・チャレンジ』、そして最上級に位置付けられるのが『フェラーリ・チャレンジ』というプラミッド構成となっている。
日本では2020年から、チャレンジ車両オーナー専用の特別なドライビングプログラムである『クラブ・チャレンジ』を6回開催してきたが、ここではタイムアタックのみで前述のとおりレースは行われない。
レースをしたいというオーナーの希望に応える『フェラーリ・チャレンジ』では、ドライバーの年齢や経験、コース上でのペースをもとに基本的には4クラスに分けられているが、ジャパンシリーズでは3クラスになる予定だという。
ジャパンシリーズは国内選手権となるため、JAF国内A級ライセンスを所持していれば参加可能。また、忙しいジェントルマンを考慮し基本は土日の2デイ開催とするなど、参戦へのハードルが下げられている。フェラーリ・ジャパンでは現在、2023年は20名程度のドライバーの参加を望んでいるといい、海外ドライバーの参戦も可能だという。
また、2ラウンドに参戦すれば、シーズンエンドにイタリアで行われる『フィナーリ・モンディアリ』への出場資格も満たせるという。
毎ラウンド、AFコルセのエンジニアとシニア・テクニシャン(メカニック)が派遣され、その下にフェラーリ・ジャパンのディーラーメカニックがつくという充実の運営体制のほか、ホスピタリティ面における各種サポート体制を含めた参戦費用は、1シーズンフル参戦の場合1360万円、スポット参戦の場合は370万円になるという(車両購入費用含まず)。
なお、フェラーリ・アジア・パシフィックのヘッド・オブ・コルセ・クリテンティを務めるフィリポ・ザニエル氏によれば、これまで行われてきた『フェラーリ・チャレンジ・アジアパシフィック』については、「廃止ではなく、保留」として将来の復活の可能性を残しつつ、「現在は日本の新しい選手権にフォーカスしたい」としている。
ジェントルマンを対象とした新たなワンメイクレースが日本でどんな盛り上がりを見せるのか、注目したい。
■2023フェラーリ・チャレンジ・ジャパン カレンダー
Rd. | 日程 | サーキット | 併催イベント |
---|---|---|---|
1 | 4月8〜9日 | 富士スピードウェイ | スーパーフォーミュラ |
2 | 5月6〜7日 | オートポリス | 単独 |
3 | 6月30〜7月2日 | 富士スピードウェイ | フェラーリ・レーシング・デイ |
4 | 7月14〜16日 | 鈴鹿サーキット | GTワールドチャレンジ・アジア |
5 | 8月19〜20日 | スポーツランドSUGO | 地方選手権 |