元F1チャンピオンのニコ・ロズベルグは、自身がメルセデスでルイス・ハミルトンと経験したライバル関係と比較すると、レッドブルでマックス・フェルスタッペンが明確にナンバー1ドライバーの立場にいることは、彼にとってより楽な状況だろうと述べている。
2013年から2016年までチームメイトだったロズベルグとハミルトンは、当初は調和のとれた関係を築いていたが、何度かの熾烈なコース上のバトルと同士討ちを経て敵対するようになり、それにはチーム代表のトト・ウォルフも対処するのが非常に困難だった。2016年に、ロズベルグは最終的にハミルトンよりも優位に立ちタイトルを獲得。しかしロズベルグは全身全霊をかけて戦ってきたために精神的に疲弊し、節目となる業績を達成した数日後にF1から引退した。
ロズベルグによると、フェルスタッペンはいくつか非常に激しい競争に直面しているものの、クルーから強いサポートを受けていることと、対処しなければならないチーム内でのライバル関係がないことが、彼にとって大きな利点となっているという。
「チーム全体がルイスと僕に中立な態度を維持しなければならなかった」とロズベルグは『Gazzetta dello Sport』に話すなかで説明した。
「チーム内には奇妙な雰囲気があった。僕たちのガレージにライバル関係があることは明白だったからだ。結果としてチーム内のスピリットはバランスが欠けていたし、そのせいで互いに歩み寄るのが難しかった。僕は自分のキャリアの一番重要な地点で孤立していた」
「フェルスタッペンにとってはより楽なはずだ。彼は誰からもナンバー1ドライバーとみなされているからね。レッドブルにはより穏やかな雰囲気がある」
元F1ドライバーで『Channel 4』の解説者を務めるデイビッド・クルサードは最近、フェルスタッペンはその傑出した才能によってすでにF1の偉大なドライバーのひとりとなっていると語った。ロズベルグはクルサードに同意し、2022年の世界チャンピオンとなったフェルスタッペンには今年驚かされたと主張した。
「彼はミハエル・シューマッハーやアイルトン・セナのような闘志を持っているし、もうミスを犯すことがない」
「どのチームメイトも彼に追いつくことができていない。ピエール・ガスリーとセルジオ・ペレスのことだが、彼らは決して悪いドライバーではない」
「今年フェルスタッペンには圧倒された。彼のシーズンスタートは不調だったし、当初はフェラーリが優勢だった。その後、彼は合計で15勝を挙げて歴史的なシーズンにした。比較的ポールポジションは少なく、前に出ていくことで勝つことが多かった」
「彼は常にベスト5のドライバーに入るだろう。確かに彼は25歳で2回世界タイトルを勝ち取ったし、すでにフェルナンド・アロンソよりも多くのレースで優勝している。彼はとてつもない才能を持っていて、今では完成されている」