ダカールラリーの砂漠には魔物が棲んでいる。
マラソンステージ1日目の1月12日、日野チームスガワラの日野600は前半の砂丘で左側に転倒。乗員に怪我はなく、車体へのダメージも少なかったが、相応のタイムロスを喫してしまった。メカニックやサポート隊のいないマラソンステージとあって、やや不安を感じさせる展開となった。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部(日野チームスガワラSNSより)、写真/日野チームスガワラ・ASO
マラソンステージ1日目は難易度の高い砂丘越え
1月12日、ダカールラリー2023はサウジアラビア南東部の「エンプティクオーター」で2日間のマラソンステージに突入。1日目はシャイバからマラソンビバークの間で275kmのSS(競技区間)が行なわれた。
日野チームスガワラの日野600シリーズ(菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組)は前半の砂丘で転倒を喫したが、車両へのダメージは少なく、トラック部門総合19位の成績でこのステージをゴール。
このタイムロスで累積順位はトラック部門の総合10位となり、ポジションを1つ落とした。
この日のSSはシャイバのビバークからリエゾン(移動区間)で151km東に移動したところからスタート。舞台は北にアラブ首長国連邦、東にオマーンとの国境が近いエリアで、難易度の高い砂丘越えと乾いた塩湖を行く区間が繰り返し出てくる路面だった。
砂丘で転倒するも他チームのトラックに助けられる
日野600シリーズは順調に砂丘をクリアしながら進んでいたが、SSスタートから約150kmの砂丘を越える際に柔らかい砂が崩れて左側を下にして転倒。ごく低速で砂の上に倒れたため乗員に怪我はなく、車体のダメージも少なかった。
間もなく他チームのトラックに引き起こされ、応急措置を施して競技を続行したが、その後ハイブリッドシステムにエラーが発生。エンジンに冷却水を補給するために停車するなど、相応のタイムロスはあったものの無事総合19位でゴールした。
この日のビバークはオマーンとの国境近く。SSゴールに隣接して設営されていた。マラソンステージのためメカニックやサポート隊は不在である。
車両はドライバーとナビゲーターが自らメンテナンスを行なったあとパルクフェルメ(車両保管場)に納められる。日野チームのクルーも車両点検のあと主催者が用意した大テントで休み、13日の競技に備えていた。
チームメンバーのコメント
菅原照仁
今日は転倒のほか、いろいろ盛りだくさんの一日でした。クルマの状況に問題はなく、明日マラソンの後半をしっかり走ってシャイバに戻ります。
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