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まとめ

  • 目薬を使う前には手を清潔にして、使う目薬をよく確認しましょう。
  • 目薬をさす時は目薬と目を離してさし、手が震えてしまう方は『げんこつ法』を試しましょう。
  • 子どもに目薬をする時は、泣いていない時に目薬をさすようにして、目を閉じてしまう場合はさす位置を工夫しましょう。

皆さんは「正しい目薬のさし方」を知っていますか?普段からよく目薬を使う人でも、「何となく目薬を使っているよ」という方もいらっしゃると思います。しかし、目薬は「正しく」使用しないと、ばい菌が繁殖したり、目の病気がなかなか治らなかったりすることがあるんです!

この記事は「目薬を使う前に注意して欲しいこと」と「目薬の正しいさし方」について解説していきます。目薬を何となく使っている方は意外な気付きがあるかもしれません。

また、目薬をさすのが苦手な方もぜひ一読ください!

この記事を書いた医師の名前

ドクターK

Doctor K

医師

眼科医。皆さんの目を守るため、自身のメディア (オンライン眼科) および Twitter で、科学的根拠に基づいた情報発信中。

目薬を使う「前」に注意して欲しい7つのこと

まず、目薬を使用する「前」にも注意すべきことがありますので (参考文献 1) 、先にお伝えしておきますね。いずれも当たり前のことと感じるかもしれませんが、目の健康を守るためには大事なポイントなので、よく確認しておきましょう!

  1. 手についているゴミやばい菌を目に入れない
    まずは手をきれいに洗って、目薬は清潔に扱いましょう。
  2. 使おうとしているものが、本当に目薬かを確認
    水虫薬やコンタクトレンズ洗浄液は目薬と似た容器が似ています。
  3. 目薬は自分のものですか?
    目薬を複数人で共有してはいけません。他の方のばい菌が自分へとうつるリスクがあります。
  4. 目薬の種類を間違えていませんか?
    複数の種類の目薬を持っている方は特に注意が必要です。製品によって効果が異なります。
  5. 目薬の使用期限が過ぎていませんか?
    開封後はなるべく早めに使用しましょう。
  6. 目薬の液は汚れていませんか?
    目薬の中に浮遊物や濁り、変色が見られる場合には、使用しないで薬局やメーカーに問い合わせてください。
  7. 容器の先やキャップに粉のようなものはついていませんか?
    容器の先やキャップついた粉は、薬液が乾いて固まったものです。清潔なガーゼなどで拭き取りましょう。

目薬の正しいさし方

では、ここからが本番ですね。目薬の上手なさし方について説明していきます (参考文献 1) 。

  1. まず、下まぶたを指で下に引っ張ります。上を見るように首を後ろに傾け、もう片方の手で目薬を持ちます。目薬を目の上に持ってきて、目に触れないように目薬をたらします。

    この時、目薬の容器の先が目玉やまつ毛などに触れると、目に傷がついたり、目薬の液がばい菌などで汚染される可能性があります。

  2. 目薬をさした後は目を閉じて、目頭を軽く押さえてください。ここには目薬の出口があるので、ここを押えることで、目薬が目に長くとどまります。
  3. 目からあふれた目薬は、周辺の皮膚のかぶれ (接触皮膚炎) などの原因になるため、清潔なガーゼやティッシュで拭き取りましょう。目の近くの皮膚は薄くてバリア機能が低いのでかぶれやすいのです (参考文献 2) 。特に抗生物質 (抗菌薬) の入った目薬などは刺激となりやすいので要注意ですよ。

他の目薬のさし方~げんこつ法~

先ほど紹介した目薬のさし方では手が揺れてしまって、うまく目薬を使えない方もいるでしょう。そんな方におすすめなのが『げんこつ法』です (参考文献 1) 。

げんこつ法では目薬を持っていない方の手でげんこつを作ります。そのげんこつを下まぶたに当て、まぶたを軽く下に引きます。目薬を持った手をげんこつに乗せ、目薬を1滴入れます。

(詳しいやり方はこちらの動画の 01:20 頃より解説されていますので、ご確認ください。)

子どもの目薬のさし方

子どもは目薬を怖がって、なかなかうまく目薬をさすことができませんよね。お子さんに目薬をさす際のコツをご紹介しますね (参考文献 1) 。

  1. 子どもに目薬をする時には怖がらせないよう、お母さんの膝の上に仰向けになってもらった状態でさすなど、やりやすい体勢で準備をしましょう。
  2. そして、下まぶたを下げて、下まぶたの上に目薬をさして下さい。この時、目をつぶってしまう場合は、『目がしら』めがけて目薬をさして下さい。その状態でまばたきをすれば、目薬は目の中に入ります。

※涙が出ていると目薬が流されたり、薄まったりするため、お子さんが泣いている時に目薬はささないようにしましょう。また、無理に目薬をさそうとすると、急に動いて目薬が目に当たり眼に傷ができる原因になるので十分に気を付けましょう。

目薬を正しくさせていないことにより、目の病気がなかなか治らない方もいます。また、目の病気が治るどころか、目の周りがかぶれて皮膚トラブルの原因になってしまう方もいます。

この記事で学んだ知識を生かして、目薬を正しくさせる方が一人でも増えると嬉しいです!

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本記事について、開示すべき COI はありません。

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