コロナの再流行が騒がれているが、行動制限がない以上は人は動く。高速バスも例外ではなく、運休路線から復活した路線に乗車したのでレポートする。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
沼津に行きたい、というより運行再開したバスに乗りたい!
東京から沼津へ行こうと思いいろいろと交通手段を検索していたところ、2022年12月から運行休止していた路線が再開するという話を聞いた。コロナウイルスの影響により各社路線の減便や運休が続いているが、そんな中のニュースであったのでこの路線に乗ってみることとした。
早朝の新宿駅。この駅から甲州街道を挟んだ向かいに建つのがバスタ新宿である。朝8時を過ぎた辺りであるが待合室はここから乗車する利用者でとても混んでいた。
これほどに大きなバスターミナルであるが、入口にある出発時刻順に並んだ案内パネルや乗車口の大きな文字が目立っていて目的のバス乗り場へは比較的迷わずに辿り着くことができた。
また乗車口の一部には自動扉があり、バスが到着しないと開かないようになっているのでこの時期寒い思いをすることもなく快適にバスを待つことができた。
しばらく待っていると白い車体に赤いラインのバスが入ってきた。こちらが今日乗車する新宿・渋谷~三島・沼津線のバスである。路線としては富士急シティバスと京王バスの共同運行である。
この便は京王バスが担当ということらしい。手続きを行い座席に座った。この日は休日であったがまだ路線の運行再開し始めたばかりで自分を含め乗客は4人と少し寂しい車内であった。
バスタ新宿を出発!
定刻になり、バスタ新宿を出発する。甲州街道から南へ移動しまずは渋谷駅へ向かう。駅といってもロータリーに着くわけではなく、渋谷マークシティにある高速バス乗り場に停車した。少しの停車を経て出発する。乗車する乗客はいなかったようだ。
その後は首都高速に入り東名高速道路へと向かう。こちらは一般道の流れとは違い、休日という感じらしくとても交通量が多く混雑していた。乗車扱いするバス停はまだあり、東京料金所横にある東名向ヶ丘、そして東名江田バス停と停車した。ここを過ぎると次は静岡県の裾野まで一気に移動である。
引き続き東名高速道路を西へ走行するが交通量はとても多く、周囲の車の動きにも十分注意しながらバスは規定の速度で走行していく。
大井松田インターを過ぎると左右のルートに分かれていくのであるが、この日は工事で左ルートは通行止めになっていたようだった。さらにその先のトンネル内では追突事故も 発生し、渋滞に巻き込まれる場面もあった。
降車休憩アリ!
渋滞箇所を過ぎるとこの路線では唯一の休憩場所となる足柄サービスエリアに到着した。開放となるので外へ出てみたが車内でずっと過ごしてきたからであろうか、朝の新宿にも劣らないほどに風が冷たく寒く感じた。
ただ駐車場からは雪をまとった富士山の姿を見ることができ、とても感激した。この季節の富士山がとても富士山らしく、とても好きである。日本人の富士山への想いはやはり特別なものがある。
再び出発したバスは裾野インターで東名高速道路を降りて一般道を走行する。裾野市から三島市、そして沼津市へと向かった。国道246号線から国道1号沼津バイパスに入ると沼津駅はもうすぐだ。
筆者はその先にある沼津駅南側の上土(あげつち)バス停で下車した。バスはこの先の沼津港を経由し富士急沼津営業所まで運転を行う。なお今回は途中渋滞箇所を通過したため定刻からは約15分ほど遅れての到着であった。
運行再開路線は要チェック!
今回は都市間高速バスで時間にして約3時間の中距離の乗車であったが、周辺の交通量の多さに気にすることなく安定した運転で安心して乗車を楽しむことができた。
ただこの路線は、同じく同都市間を結んでいる沼津~東京駅線が11月をもって運休した代わりに運転を再開したということもあり、まだ利用者はそれほど戻ってきているようには思わなかった。
またダイヤも特別ダイヤとなっていて、決して使いやすいダイヤにはなっていないかもしれない。それでも確実に着席して目的地まで移動できるメリットは見逃せないのではないかと思う。車窓の富士山を堪能しながら沼津を満喫してみてはいかがだろうか。
コロナ関連で運休していた路線はそのまま休止または廃止になったものもあるが、運行を再開した高速バス路線は沿線住民でない限り認知がされにくい。ぜひ運行再開路線を積極的に利用してバス旅を楽しんでいただきたい。
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