もっと詳しく

 4月8〜10日、GB3開幕大会(第1戦〜第3戦)がイギリス・イングランド北西部のオウルトン・パークで開催された。今季、日本からは岩崎有矢斗(エリート・モータースポーツ)と、レッドブル&ホンダ育成の荒尾創大(ハイテック・パルスエイト)という2人の日本人ドライバーが参戦。リバースグリッドスタートの第3戦では岩崎が2位に入り、GB3初表彰台を獲得した。

 GB3はかつてBRDCイギリスF3として開催されていたイギリスのジュニア・フォーミュラシリーズ。オウルトン・パーク、シルバーストン、スネッタートン、ブランズハッチ、ドニントンパークのほか、ベルギーのスパ・フランコルシャンを舞台に2023年は全8大会24レースが開催される。

タトゥース製『MSV-022』シャシーに250馬力を発するフォード・デュラテックの2リッター4気筒自然吸気エンジンを搭載するGB3
タトゥース製『MSV-022』シャシーに250馬力を発するフォード・デュラテックの2リッター4気筒自然吸気エンジンを搭載するGB3

 シャシーは2022年シーズンよりタトゥース製『MSV-022』を導入。250馬力を発する2リッター4気筒自然吸気のフォード・デュラテック製エンジンにタイヤはピレリのワンメイクだ。

 今季は全27台がエントリーしており、日本からはFIA-F4選手権やフォーミュラ・リージョナル・アジアなどに参戦した19歳の岩崎。そしてレッドブルとホンダの育成ドライバーであり、昨年のフランスF4でランキング3位となった17歳の荒尾という2人が参戦。開幕オウルトン・パーク大会の公式予選では荒尾が1分28秒202で4番手につける一方、岩崎は1分28秒859で18番手と大きく明暗が分かれた。

2023年GB3に参戦する荒尾創大(ハイテック・パルスエイト)
2023年GB3に参戦する荒尾創大(ハイテック・パルスエイト)

 8日の第1戦決勝では4番手スタートの荒尾がポジションをキープしてレース後半へ。しかし、残り3周となった11周目に荒尾は単独スピンを喫しマシンを止め、痛恨のリタイアとなった。ポールポジションスタートのジョセフ・ローク(JHRデベロップメント)が危なげない走りで優勝。一方、18番手からスタートした岩崎はポジションを5つ上げ13位でチェッカーを受けている。

 一日おいて10日午前に行われた第2戦決勝、第3戦決勝はともにウエット絡みのレースに。第2戦決勝ではフォーメーションラップ中にいきなりの雨に見舞われ、スピンアウトする車両も。スタートディレイとなり、全車がウエットタイヤに交換してスタートを迎えたが、その時点での雨脚はかなり強めに。

 3番手荒尾がスタートで出遅れるなか、4番グリッドスタートのジェームス・ヘドレー(アーデンVRD)が抜群の蹴り出しを見せターン1で2番手に浮上。さらに、2周目の最終ターンでトップに浮上するとヘドレーがそのままトップチェッカーを受けた。荒尾は一時7番手まで後退するも6番手にポジションを上げてGB3初ポイントを獲得。一方、岩崎は16番手スタートから17位でチェッカーとなった。

2023年GB3に参戦する荒尾創大(ハイテック・パルスエイト)
2023年GB3に参戦する荒尾創大(ハイテック・パルスエイト)

 10日午後に行われた第3戦決勝は、予選のベストタイムから103%以内の全車がリバースグリッドとなり、岩崎が8番手から、荒尾が22番手からスタートを迎えた。雨は上がったものの、路面は乾き切っておらず各車ウエットタイヤでのレースとなった。

 スタートから、ホームストレートでエンジンストールした車両に後続が追突したアクシデントが発生したほか、オープニングラップのターン1出口では接触により2台がコースサイドにストップするアクシデントが続きセーフティカー(SC)が導入される。

 SC導入時点で岩崎が2番手、荒尾が16番手に浮上。レースは5周目にリスタートを迎えると、ターン1の立ち上がりで岩崎が2番手に浮上する。16周を予定していた第3戦決勝だったが時間レースとなり、岩崎が2番手に浮上した時点で残り時間は13分弱という状況に。

 トップとの間合いをつめた岩崎だったが、その直後、後続のコースオフ&リタイアにより2度目のSCが導入される。さらにリタイア車両の回収が難航。その結果、SC導入のままチェッカーとなり、優勝はリバースグリッドポールのダニエル・マフリュートフ(ヒルスピード)、岩崎は2位、荒尾は15位でチェッカーを受けた。

 開幕オウルトン・パーク大会を終えた時点で35ポイントを獲得した岩崎はランキング9位、25ポイント獲得の荒尾はランキング14位となった。次戦のGB3第2大会(第4戦〜第6戦)は5月6日~7日にイギリスGTのサポートイベントとして、シルバーストンで開催される。

昨年のスポット参戦を経て、今季GB3にフル参戦を果たした岩崎有矢斗(エリート・モータースポーツ)
昨年のスポット参戦を経て、今季GB3にフル参戦を果たした岩崎有矢斗(エリート・モータースポーツ)
2023年GB3第1大会オウルトン・パーク 荒尾創大(ハイテック・パルスエイト)
2023年GB3第1大会オウルトン・パーク 荒尾創大(ハイテック・パルスエイト)