1月11日、サウジアラビアで開催されている『第45回ダカールラリー2023』のステージ10が行われ、前日に総合3番手に浮上したセバスチャン・ローブ(バーレーン・レイド・エクストリーム)が最速タイムをマーク。3連続でのステージウインを飾った。
11日(水)のステージ10はハラドから南東部のシャイバに向かうルートに設定された全長113kmのスペシャルステージが戦いの舞台となった。このSSは距離が短いものの、全行程が危険な砂漠地帯“エンプティ・クォーター”の中にあり油断は禁物だ。
休息日前のステージ8と後半戦のオープニングとなったステージ9で連勝を飾ったWRC世界ラリー選手権の“レジェンド”は、サウジアラビア南東部に広がるルブアルハリ砂漠のステージでも速さを発揮した。序盤からリードを拡げると、2番手となったマティアス・エクストローム(チーム・アウディスポーツ)に3分04秒差を築いて自身20回目のステージ優勝を果たしている。
「ノーミス、ノートラブルだった」とローブは競技10日目のステージを振り返った。
「100km以上にわたって砂丘しかなかった。かなり長くきついレースだったが、フィーリングは良かったよ」
ステージ3番手に入ったのは総合2番手につけているダカールルーキーのルーカス・モラレス(オーバードライブ・レーシング)で、その後方に総合首位を堅持するナッサー・アル-アティヤ(TOYOTA GAZOO Racing)が続いた。総合順位での両者のギャップは1時間21分34秒と依然大きな差がある。アル-アティヤとローブのタイム差は1時間37分23秒だ。
■二輪部門はトップが入れ替わる
二輪部門ではロス・ブランチ(ヒーロー・モータースポーツ・チーム・ラリー)が3日ぶりの最速タイムで今大会2度目のステージウインを決めた。エイドリアン・ヴァン・ベバレン(モンスターエナジー・ホンダ・チーム)がトップと21秒差のステージ2番手、ルーキーのマイケル・ドチャティ(HTラリーレイド・ハスクバーナ・レーシング)が9秒遅れて3番手となっている。
ブランチからちょうど1分遅れてステージ4番手となったケビン・ベナビデス(レッドブル・KTMファクトリー・レーシング)は、総合首位のスカイラー・ハウズ(ハスクバーナ・ファクトリー・レーシング)がステージで15番手に沈んだことから逆転に成功。3番手からラリーリーダーに浮上し、ライバルに対して1分29秒のギャップを築いている。
前日終了時にハウズと3秒差の2番手につけていたトビー・プライス(レッドブル・KTMファクトリー・レーシング)はステージ16番手に終わり、総合3番手へと順位を落とした。首位とのタイム差は2分10秒だ。
■山場のマラソン・ステージに突入
日本勢のチームランドクルーザー(TLC)は、三浦昂がドライブする246号車トヨタ・ランドクルーザー・GRスポーツがトラブルなくステージ10を走破した。僚友ロナルド・バソの250号車もリム落ちによる若干のタイムロスがあったが、それ以外はノートラブルでフィニッシュした。四輪市販車クラスでワン・ツーを築いている2台はバソが総合94番手、三浦は総合123番手となっている。
トラック部門に参戦している菅原照仁(日野チーム・スガワラ)は、マシンにハイブリッドシステムの不調と連日の水温上昇の症状が見られたものの9番手タイムで砂丘のステージをクリア。部門総合順位も前日の10番手からひとつ上がり9番手となった。
1月12日(木)から翌13日(金)にかけては今大会の山場となる“マラソ・ンステージ”が待ち受ける。選手たちはこの2日間、メカニックによる整備や部品補給を受けずにエンプティ・クォーターでの戦いに臨まねばならず、12日夜はスペアタイヤやパーツも競技車に積載しているものしか使えない状況下で、自分たちのマシンの整備を行う必要がある。
マラソン・ステージの前半戦となるステージ11は全長274kmのSSと153kmのリエゾン(移動区間)で構成され、1日の総走行距離は427kmとなっている。