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<p>CPI統計の機密保護に市場の信頼揺らぐ、発表直前の米国債取引急増</p><p>CPI統計の機密保護に市場の信頼揺らぐ、発表直前の米国債取引急増</p><p>ニューヨークやシカゴ、ロンドンのトレーダーは12日の朝に端末画面にくぎ付けになるだろう。米東部時間午前8時半(日本時間午後10時半)に米労働省が発表する米消費者物価指数(CPI)の統計を待ち構えているためだ。</p><p>実際には、多くのトレーダーは先月の出来事を理由に、発表前から相場動向を注視するとみられる。 昨年12月13日。米連邦準備制度が注視するインフレ指標の一つである月間のCPIが通常通り午前8時半ちょうどに公表された。しかし、その前60秒間に奇妙なことが起きた。米10年国債先物の売買高が急増し、過去24回のCPI発表直前より3倍余り大きかったことがブルームバーグ・エコノミクス(BE)の分析で 示された 。 トランプ政権で米商品先物取引委員会(CFTC)委員長を務めたクリストファー・ジャンカルロ氏は、「売買高は相当異常だった」と指摘した。     労働省は初期調査の実施後にデータが漏れた可能性を否定した。CFTCや米証券取引委員会(SEC)がこの事態を掘り下げて調べている兆候はない。 CFTCの報道官は次回のCPI発表直前の米国債先物市場をどうモニターする計画かとの質問に、当局は市場の動きを日々注視していると答えた。SECに取材を試みたが返答はなかった。 大手トレーディング会社でシカゴに本拠を置くDRWの公共政策・市場構造責任者グラハム・ハーパー氏は、「市場参加者の信頼と自信を得られる公表プロセスにすることがいかに重要かを示していると思う。経済に先行き不透明感があり、最新統計が極めて重要な状況では特にそうだ」と指摘。「現在の経済指標公表の仕組みにはそのプロセスの完全性に疑念がある」と付け加えた。 関連記事</p>