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 超貴重な存在になりつつあるオープンモデル。カッコいいけど、雨とかの時は面倒くさそうだな、とも。我々屋根付きクルマ所有者からすれば、例えばコンビニに行くときなんかも毎回屋根を閉めるのだろうか? 開けっ放しだと盗まれそうだが……。一体オープンカーオーナーはどうしてんの。なにか秘策でも!?

文/小鮒康一、写真/MAZDA、DAIHATSU、HONDA

■防犯性は皆無!? いやいや鍵付きの隠し収納があるんですっ

走って楽しいクルマとして「いの一番」に名前が挙がるマツダ ロードスター。屋根を開けてオープンで走れるというのも理由のひとつだろう
走って楽しいクルマとして「いの一番」に名前が挙がるマツダ ロードスター。屋根を開けてオープンで走れるというのも理由のひとつだろう

 クルマ好きであれば、一度は気にしたことがある人も多いであろうオープンカー。実際に所有したことはなくても一度は乗ってみたいと考えている人もいるのではないだろうか。

 最近では幸いにもレンタカーだけでなく、個人間カーシェアリングサービスなども普及してきて以前よりも気軽にオープンカーに接することができる機会も増えてきた。

 そこで気になるのが、オープンカーの屋根問題だ。走行中は屋根を開け放てば開放的な気分を満喫できるオープンカーではあるが、駐車中に屋根をどうするのが正解なのだろうか?

 もちろん長時間駐車するときは屋根を閉める一択になるとは思うが、ちょっとコンビニで買い物とか、高速道路のパーキングエリアなどでのトイレ休憩など、短時間だけクルマを離れるというシーンではいちいち屋根を開け閉めするのは面倒に感じることもあるだろう。

 ただ、実は多くのオープンカーでは短時間、クルマを離れる際にわざわざ屋根を閉めなくてもいいように、グローブボックスやストレージボックスにロック機構が点いている車種多いのだ。

 そのため、短時間だけクルマを離れる場合、大切なものはここに入れてカギをかけておけばおいそれと盗まれてしまうこともない。

 またオープンカーならではの特徴として、トランクのオープナーなどもこのボックス内に設置されている車種が多いので、ここさえロックしておけばトランクを開けられて荷物を盗まれてしまう危険性もグッと下げることができるのである。

■幌タイプは屋根閉めても不安……ならば貴重品は置いちゃダメ

 とはいえ、ただでさえ目立つオープンカーだけに、屋根を開けたままクルマを離れると心ない人からイタズラをされてしまう可能性もゼロではない。そのため、大切な愛車はもちろんのこと借り物であるレンタカーなどを使用している際は面倒でもクルマを離れる際は屋根を閉めておくのが安心と言えるだろう。

 もっとも近年のオープンカーは屋根の開閉が簡単になっているモデルも多く、ひと昔のオープンカーとは比べ物にならないくらい楽に開閉ができるようになっているし、なんなら電動で開閉できるモデルも多いので、そういったモデルを選択するというのもひとつの手だ。

 ただし、いくら屋根を閉めていたとしても、ソフトトップタイプのオープンカーでは、幌をカッターナイフなどで切られてしまうと簡単に車内にアクセスされてしまうので、長時間クルマから離れる際は車内に荷物を残したままにしないというのも防衛手段のひとつとなる。

 こちらも気になるようであれば、樹脂や鉄板の屋根を持ち、電動開閉が可能なリトラクタブルハードトップタイプのオープンカーも存在しているので、そちらを検討してみてはいかがだろうか。

■修理代は最低二桁万円!! オープンカーの意外な落とし穴

ビニールレザーやキャンバスで作られているソフトトップは経年劣化が避けられない。ソフトトップの交換には、部品と工賃で最低でも10万円前後の出費となる。オープンカーの宿命だ
ビニールレザーやキャンバスで作られているソフトトップは経年劣化が避けられない。ソフトトップの交換には、部品と工賃で最低でも10万円前後の出費となる。オープンカーの宿命だ

 開け閉めが億劫という声もあるオープンカーだが、長く所有していると避けることができないもうひとつの問題がある。それが、ソフトトップの劣化という問題だ。

 ビニールレザーやクロスなどの素材でできているソフトトップは、どんなに大切に扱っていても、経年劣化で縮みやほつれ、破れなどが発生してしまう可能性が高い。

 オープンカーでないクルマにとって屋根は半永久的に交換などの補修をしないものというのが当然だが(事故などは除く)、ソフトトップの場合は劣化した状態で放置すると見た目が非常に残念になるだけではなく、雨漏りや腐食、内装へのダメージなど二次災害を巻き起こす可能性もある厄介なものなのだ。

 もちろん、屋根付きのガレージに保管したり、定期的にメンテナンスを実施することで劣化のスピードを下げることはできるが、実は開閉するだけでも少しずつソフトトップにはダメージが蓄積されていると言われており、オープンカー乗りの宿命とも言えるもの。

 とはいえソフトトップの交換となると、部品と工賃で最低でも10万円前後の出費は覚悟しなければならないので、中古車を狙う際はなるべく状態のよいものを選びたい。

 また、電動ハードトップであれば安心かというと決してそうでもなく、つなぎ目部分からの雨漏りはソフトトップ同様にリスクとして発生するし、電動モーターの故障が発生すると、ソフトトップの交換に匹敵するほどの出費を覚悟しなければならないのだ。

■夏も冬もキツい……となれば屋根はいつ開けるのがベスト!?

 そんなハードルだらけのオープンカー。イメージ映像などでは日差しの降り注ぐ夏の海岸線などをサングラスをして爽快にひた走る、なんてものが存在するが、これは基本的に自殺行為。

 真夏の日中のオープン走行は容赦ない直射日光と地面からの照り返しで、エアコンを入れていたとしても熱中症待ったなしの環境になるのだ。

 一方でオープンカーは冬に乗るもの、という声もあるが、これも万人にオススメできるものではない。

 しっかり防寒をした上での真冬のオープンドライブは真冬の露天風呂的な気持ちよさがあるのだが、うっかり防寒を忘れてしまうと、耳と指先はちぎれるほどの寒さとなり、車種によっては車内への巻き込み風で暖房マックスでも全身の体温がみるみる奪われてしまうのである。

 そのため、オープンドライブを万人にオススメできるのは、春と秋ということになるワケだが、花粉症の人にとっては春は地獄の季節ということもあって、実質乗るのは秋だけ……いや、秋もブタクサやヨモギの花粉に反応してしまう人もいるかもしれない……。

 ということで、オープンカーを楽しむなら自己責任で好きな時に屋根を開けるのがいいのかもしれない。なんせオープンカーは“好きな時に屋根を開けることができる“クルマなのだから。

【画像ギャラリー】屋根の開け閉めが面倒でヤーネー!? オープンカーの防犯はどうなってる? 猛暑や寒さはキツくない?(10枚)画像ギャラリー

投稿 【オープンカーの屋根問題】コンビニとかで毎回閉めるの!? 面倒じゃないのか自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。