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<p>【北京春秋】海外との往来が再開しても</p><p>【北京春秋】海外との往来が再開しても 日中関係筋は「民間レベルの相互往来が、日中間で順調に進むかどうかは分からない」との考えを示す。この関係筋が指摘するのは、中国当局による日本人の拘束が相次いでいることだ。</p><p>今月8日、中国政府は新型コロナウイルス対策として海外からの渡航者に義務付けてきた強制的な隔離措置などを撤廃した。感染拡大を徹底的に食い止める「ゼロコロナ」政策…</p><p>今月8日、中国政府は新型コロナウイルス対策として海外からの渡航者に義務付けてきた強制的な隔離措置などを撤廃した。感染拡大を徹底的に食い止める「ゼロコロナ」政策に正式に終止符を打った形で、北京では周囲の人の多くが「こんな結末を見るとは、数カ月前には想像すらしていなかった」と漏らした。 新型コロナの世界的な流行後に、ほぼ停止状態にあった海外との往来が再開したが、ある日中関係筋は「民間レベルの相互往来が、日中間で順調に進むかどうかは分からない」との考えを示す。この関係筋が指摘するのは、中国当局による日本人の拘束が相次いでいることだ。 コロナ禍前の2019年には、中国を訪れた北海道大学の教授が拘束された。後に解放されたが、中国政府系シンクタンクの招きで訪中していたということもあり、日中関係に関わる研究者に衝撃を与えた。「今後、訪中するかどうかは慎重に考える」と話す日本人研究者もいた。 現在、中国の不透明な感染状況を懸念した日米韓など各国が水際対策を強化したのに対し、中国政府は対抗姿勢をむき出しにしている。そうした強硬な様子を見ても、海外との相互往来が完全にコロナ禍前の状態に戻るかどうかは見通せないと感じる。(三塚聖平) 特集・連載:</p>