元F1ドライバーのデイビッド・クルサードは、2度のF1世界チャンピオンであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、すでにF1の偉大なドライバーであり、彼の成功がマシンのおかげだと言うのは「相当の愚か者」だけだと述べている。
2022年のフェルスタッペンはシーズン終盤の4戦を残して、2度目のドライバーズタイトルを獲得した。彼は最終的にF1ドライバーの1シーズンあたりの最多勝利数となる15勝を挙げ、最高の年を飾った。
2015年にトロロッソでF1キャリアを開始した25歳のフェルスタッペンは、クルサードによると、すでに史上最高のドライバーのひとりとみなされるべきだという。
「私がF1でルイス(・ハミルトン)を史上最高のドライバーのひとりだとみなすのに、彼が9回世界タイトルを獲る必要がないのと同じように、マックスはすでに偉大なドライバーのひとりだ」とクルサードはオランダのウェブサイト『Formule1.nl』に語った。
「彼が優れたマシンに乗っていたからこの業績を達成したのだと言うのは、相当の愚か者だろう」
「結局のところ、彼のチームメイトの誰ひとりとして彼と肩を並べることができていない。マックスはコース上のモンスターで、勝てるマシンがある。誰かが何かを言わずにいられなくてもそんなことは気にしない。彼は驚異的だ」
クルサードがフェルスタッペンのことを実力によってレジェンドになったとみなしているのは当然のことだが、フェルスタッペンがレッドブルから与えられた優れた装備を最大限に活用していることは間違いない。しかしクルサードは、レッドブルが今後フェルスタッペンにタイトルを獲れるマシンを用意できなかったら、彼はタイトルの獲得回数を増やすのに苦戦するだろうと警告している。
「フェルスタッペンの時代はふたつのタイトルで終わるかもしれない。彼が素晴らしいドライバーではないからではなく、今後のシーズンでタイトルを獲れるマシンを持てないかもしれないからだ。そのことは誰にも分からない」
「代わりにルイスが7度のF1チャンピオンではなく9度のF1チャンピオンになる可能性もある。同時に、彼は優れたマシンに乗っていることが多いが、(フェルナンド・)アロンソのようなドライバーはそうではなかった。アロンソは3回以上タイトルを獲得するはずだったが、彼の選択とレースの神の采配によって、2023年はアストンマーティンでドライブすることになった。彼がチャンピオンになる可能性はわずかだ」
レッドブルF1のチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、F1におけるフェルスタッペンの覇権を拡大するために、チームが彼に最高のマシンを供給していく必要があることに同意した。
「それほど広くは見ていないが、マックスはF1の他のドライバーよりはるかに優れていると思う」とホーナーは話した。
「我々が彼の才能に合ったマシンを与えれば、彼ははるかに多くのことを達成できるだろう」
レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコによると、フェルスタッペンはグリッド上で最高の才能を持っているだけでなく、本物のタイヤエキスパートとしても頭角を現しているという。この資質は現在の彼のチームメイトのセルジオ・ペレスが持っているとしばしば言及されてきた。
「フェルスタッペンのレベルの半分に達しているF1ドライバーはふたりしかいない。シャルル・ルクレールとハミルトンだ」とマルコはスペインの『Marca』に語った。
「マックスはこれまで以上に自信を持ち、全体を見通してドライブしている。それと同時に、タイヤのエキスパートにもなりつつある。たとえば、彼はソフトタイヤで、ハード寄りのタイヤを履いているライバルよりも長くレースができる。彼には限界がないと思う」
「彼はマシンに乗り込み、フリー走行1回目からとても自信を持っている。ファーストラップからそのことは見てとれる。雨の時のファーストラップでは他のドライバーより2秒速くなる。誰もがまずは追いつこうとしなければならない」