ファンのために熱いレースを展開してくれるスーパーGTドライバーたち。SNS等でも散見されますが、所属するチームやメーカーによって差はあれど、多くのドライバーが“繋がり”をもっています。そんなGTドライバーたちの横の繋がりから、お悩みを聞くことでドライバーの知られざる“素の表情”を探りだす企画をお届けしております。今回はKONDO Racingのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手から、同郷であるBMW Team Studie × CSLのアウグスト・ファーフス選手に繋がりました。
しばしばSNS等でも見られる、気になる2ショット。「へえ、あのドライバーたち、仲良いんだ」とファンの皆さんも驚くこともあるのでは。そんなGTドライバーの繋がりをたどりつつ、ドライバーたちの“素”を探るリレートークがこの企画です。これまでの連載は、まとめページを作りましたのでぜひご参照ください。
前回、オリベイラ選手の日本語とワタクシの英語というカタコト同士の会話でなんとか取材を敢行したこのコーナー。今回はブラジル人ドライバー繋がりで、世界で戦うStudie BMW M4のアウグスト・ファーフス選手に繋がりました。……安心してください。今回は伊藤ソニアさんの完璧な通訳つきです。
ではどうぞ!
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■「お互いをリスペクトすること」が日本は素晴らしい
──そんなこんなでアウグストさん、今日はお時間いただきありがとうございます。今回はこんな企画の取材で来ました(趣旨を説明)。
アウグスト・ファーフスさん(以下アウグストさん):イエス。オーケーだ。
──で、続いてアウグストさんの悩みを次のドライバーに相談して欲しいんですよ。
アウグストさん:なるほどね。
──まず、JPさんからのお悩みなんですが、『日本のレースのレベルを、アウグストはどう感じているのかを聞いてみたい』というものなんですよ。
アウグストさん:う〜ん。そうだな。どんな面から見ても、日本のレースは他の国と“違う”んだよね。まず、レースディレクターからして違う。日本でいちばん心を動かされたのは、お互いをすごくリスペクトし合っているところだ。日常生活でもみんな礼儀正しいから、その国民性がトラック上でも感じられるんだよ。
だから日本でレースをすることはすごく楽しいし、好きなんだ。スーパーGTの場合は2クラスの混走だけど、お互いにリスペクトしていて、このレースは、世界中のGTレースの中でも『最高のショー』になっていると思う。
もちろん、ドライバー全員のことを知っているわけじゃないんだけど、みんな素晴らしい可能性をもったドライバーだと思うし、ヨーロッパからドライバーが来ても、同じレベルにある。海外からはベストなドライバーたちが来るわけだろう? でも彼らとレベルは同じなんだから、すごく日本のレースはレベルが高いと思っている。
──そのなかで、JPさんは毎年チャンピオン争いをしてますよね。それはやはりスゴいこと?
アウグストさん:JPはブラジルを離れてから、すごく強力な“サムライ”になったよね。たぶん日本に来てから17年くらいになると思うんだけど、違う世界にやってきてすべてを吸収し、自分で名を上げ、今の地位を勝ちとっている。すごいことだよ。
もちろん僕たちのBMW Team Studieは、チャンピオンシップを戦うにあたって、強力なパッケージを作り上げられたと思う。ミシュランタイヤとのパッケージもすごく良いよ。今年チャンピオン争いをすることができれば良かったけれど、たぶん来年になるだろうね。今回(この取材はスーパーGT第8戦もてぎの搬入日に実施)、理想は僕たちがレースで優勝して、JPたちがチャンピオンを獲ることだね(笑)!
──ところで、JPさんにも聞いたのですが、ふたりの関係はかなり長いそうですね。
アウグストさん:30年のつきあいだね(笑)。
──初めて会ったのはブラジルでの1998年のカートレースで、ワン・ツーだったそうですね。
アウグストさん:どちらが優勝だったかは忘れちゃったんだ。なぜならいつもどちらかが優勝で、どちらかが2位とかそんな感じだったからね。ずっと一緒だったんだ!
──JPさんから、何か日本のことで他に教えてもらったことはある?
アウグストさん:JPは僕がスーパーGTに出る前、それこそWTCCで日本に来るときから、いつもアテにしてたんだ。今年は良くサイクリングに一緒に行くよ。彼はスゴいサイクリストだからね。プロフェッショナルサイクリストと言ってもいいかもしれない(笑)。
実はプロのブラジリアンドライバーは世界中でもそれほど多くないんだよ。だからいつも連絡は欠かさないし、近い存在だよね。
■東京でベストな●●を教えて!
──オッケー。ではアウグストさん、何かお悩みはないですか? レースのことでもいいし、プライベートなことでも。
アウグストさん:次のドライバーに何か質問するってことだよね?
──そうそう。
アウグストさん:オッケー。じゃあ次に質問するドライバーはロニー(クインタレッリ)だ。ロニーで大丈夫?
──一度出ているけどまったく問題ないよ!
アウグストさん:ロニーが日本で成し遂げてきたことは前例がないくらい素晴らしいことだし、日本語もしっかりできるのはスゴいと思うんだよ。で、そんなロニーに聞きたいのは、日本語がどうやったら上達するのかと、東京でいちばん美味しいピザ屋を教えて欲しいってことだ(笑)!
──(笑)。なるほど。それはいい質問だ! こちらも気になります。
アウグストさん:本当に美味しいピザ屋を頼みたいね! もしくは、ロニーの家で美味しいイタリアンパスタをご馳走して欲しいよね(笑)。
──ちなみに、アウグストさんとロニーさんはどういう関係?
アウグストさん:彼は僕より2〜3歳年上なんだけど(編注:実際は4歳上でした)、イタリアでレーシングカートをやっている時から前を走っている存在だったんだ。それからイタリアのフォーミュラ・ルノーでも一緒だった。2001年だったかな? その後キャリアは離れてしまったけれど、彼はミシュランタイヤの豊富な知識をもっているからね。よく話をするんだ。それから、イタリアでF3に出ていたときは、コースケ・マツウラ(松浦孝亮)とも一緒だったんだ。だからコースケとはすごく仲良しだよ。
だから日本に来る度にいつも楽しみなんだよ。今回のもてぎは、セブリングでテストをしてから来てるんだけど、すごい長旅だったけどいつも楽しみにしてた。笑顔が止まらないって感じだね。スーパーGTはそういうところも含めて、世界でベストなチャンピオンシップだ。
──なるほど。では以上で取材はオッケーです。ありがとうございました!
アウグストさん:アリガトウ。
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そんなこんなで、コンパクトですが要件をキッチリ抑えて回答してくれるアウグストさんサイコーです。次回、ロニーさんが選ぶ東京のベストなピザ屋さんを楽しみにお待ちください!