12月8日、BMW Mモータースポーツは、チームWRTが2023年にBMW M4 GT3で“ダブルプログラム”を開始し、ファナテックGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWSと、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ・パワード・バイ・ピレリの一部レースに参戦することを明らかにした。
既報の通り、ベルギーのチームWRTは13年間所属したアウディを離れ、BMW陣営に加わる。彼らは2024年にはBMW Mハイブリッド V8によるWEC世界耐久選手権のハイパーカー・プログラムをスタートさせるが、その前年となる2023年からBMW M4 GT3でのレース活動を始める。
2023年のIGTCについては、2月のリキモリ・バサースト12時間レースに2台体制で参戦することから始まる。ドライバーは最近発表されたBMWのファクトリー登録メンバーで構成される予定だ。
この取り組みにより、BMWは2020年以来初めてオーストラリアのエンデューロへと復帰、マウント・パノラマに初めてM4 GT3が登場することになる。
WRTのチーム代表であるヴァンサン・ボッセは先月、チームは「皆さんが期待する場所で」レースを行うと述べ、IGTCへの出走を示唆していた。
なお『BMW MチームWRT』としての公式デビューはバサーストだが、それに先立ってWRTは1月のハンコック・ドバイ24時間にも2台のM4 GT3で参戦する。
さらにWRTは、IGTCおよびGTWCヨーロッパ/エンデュランス・カップの一戦であるクラウドストライク・スパ24時間レースにも参戦する予定だ。
「8月初旬にBMW Mモータースポーツとの提携を発表して以来、我々はチームWRTの歴史の新しい章のために絶え間ない準備をしてきた」と、ボッセは述べている。
「新しいスタートには、新しい車、新しい手順、新しい人間関係を発見し、学び、適応する必要があるため、多くの作業が伴うものだが、すべてがスムーズに進み、我々はとてつもない興奮とモチベーションを感じ、BMW Mモータースポーツの信頼に感謝している」
「バサーストでBMW MチームWRTとして正式にデビューする1カ月前には、ドバイでBMW M4 GT3による初レースが待っている」
チームとしてはこれらGT3レースの活動と並行して、LMDhのテストプログラムを進めていくことになる。
■ローヴェ・レーシングらとの関係も継続するBMW
GTWCヨーロッパ/エンデュランス・カップのトップカテゴリーにおけるBMWの存在感は、WRTの加入に加え、ローヴェ・レーシングの継続も決定されたことで、来年もますます高まることになりそうだ。
モータースポーツ・コンピテンス・グループが運営するローヴェは、エンデュランス・カップとニュルブルクリンク24時間に参戦、それぞれの大会にファクトリーサポートカーを2台ずつ投入する予定だ。
ローヴェは今年、GTWCヨーロッパにM4 GT3を導入し、BMWジュニア・チームのエントリーを含む2台体制で参戦した。
ローヴェのチーム代表であるハンス・ピーター・ナウドルフは、「2年目のシーズンは、BMW M4 GT3のポテンシャルを最大限に引き出し、これらの象徴的なレーストラックで再び勝利に挑戦することができると確信している」と語っている。
「また、2023年にはGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ/エンデュランス・カップのタイトル獲得を目指す。これらは、ROWE RacingとBMW Mモータースポーツが切望しているものであり、我々が日々取り組んでいることだ」
BMW Mモータースポーツ・ディレクターのアンドレアス・ルースは、「チームとしては、BMW MチームRLL、BMW MチームRMG、ローヴェ・レーシングなど、長年培ってきたコラボレーションを継続する」とコメントしている。
「もちろん、DTMのチャンピオンチームであるシューベルト・モータースポーツとの協力関係も継続する予定だ」
「また、新しいBMW Mモータースポーツ・チームとして、我々はBMW MチームWRTを迎える。2023年とその先の数年間、我々はエキサイティングなチャレンジに直面しており、そのためには最高のチームとドライバーが必要だ」
「結局のところ、目標はモーターレースにおけるBMWブランドのサクセス・ストーリーに花を添えることなのだ」