これまでのプロモーターであったITRよりDTMドイツ・ツーリングカー選手権のブランド権を取得したADACドイツ自動車連盟が、DTMを頂点とした新たなピラミッド構造を明らかにした。また、同時に2023年のDTMシリーズのカレンダーも発表している。
ADAC GTマスターズ、GT4ドイツ、TCRドイツを運営するADACだが、新たに加わるDTMは、これらのレースの頂点に位置付けられており1台あたりひとりのドライバーで戦う、スプリントレースフォーマットが維持されることになった。
注目すべきは、プラチナにレーティングされるドライバーはGTマスターズには参戦できず、DTMにしか出場できないという点だ。
さらに、2021年にDTMがGT3車両に移行して以来、AVLが行ってきたBoP(性能調整)のプロセス管理を、2023年からはGTワールドチャレンジなどを運営するSROモータースポーツ・グループが行うことになった。
この変更に伴い、タイヤサプライヤーもミシュランからピレリへと変更され、GTマスターズと足並みを揃えることになる。
「DTMは国際的に高く評価されており、国境を越えて素晴らしい評判を得ている。しかし、DTMの中心はドイツだ」と、ADACスポーツ会長のゲルト・エンザー博士は述べている。
「商標権を取得した直後から、各チームが確実に計画を立てられるようにすることが、我々にとって大きな関心事だった」
「これを達成するためには、中核となる市場に焦点を当てることが重要だった。ADACは偉大な遺産を受け継ぎ、ヨーロッパのモータースポーツシーンにおける強力な国際ブランドとして、国を超えた魅力を持つDTMを今後も開催していくだろう」
「持続可能で未来志向の構造によって、我々はドイツのモータースポーツのための強力なプラットフォームを作り上げているのだ」
『DTMエンデュランス』と名付けられたADACのピラミッドの2層目には、GTマスターズとプロトタイプ・カップ・ドイツが位置付けられている。
その下の階層は、GT4ドイツとTCRドイツのために確保されており、「プロ/アマ&ジュニアレベル」と表現されている。
また、この発表に合わせてADACは、ドイツ、オーストリア、オランダで開催される8戦からなるDTMの2023年シーズンのカレンダーも発表した。
開幕戦は5月26日〜28日にオッシャースレーベンで開催される。2015年まで定期的に訪れていたサーキットに、シリーズは戻ることとなる。
同様に第2戦では2018年以来となるザントフォールトがカレンダーに復帰するほか、ザクセンリンクも新たに追加される。
このほかノリスリンク、ニュルブルクリンク、ラウジッツリンク、レッドブルリンク、ホッケンハイムでの開催はすべて維持され、ホッケンハイムがシーズン・フィナーレの舞台となる。
■2023年DTMドイツ・ツーリングカー選手権カレンダー(2022年12月8日発表)
Rd. | Date | Circuit |
---|---|---|
1 | 5月26〜28日 | オッシャースレーベン |
2 | 6月23〜25日 | ザントフォールト |
3 | 7月7〜9日 | ノリスリンク |
4 | 8月4〜6日 | ニュルブルクリンク |
5 | 8月18〜20日 | ラウジッツリンク |
6 | 9月8〜10日 | ザクセンリンク |
7 | 9月22〜24日 | レッドブルリンク |
8 | 10月20〜22日 | ホッケンハイムリンク |