■市場に流通していないはずのカンキツが中国に流出
「えっ……本当ですか」
電話の相手は、疑問とも感嘆ともとれる口調で声を絞り出してから、黙り込んだ。ひりひりした空気が流れる。どうやら寝耳に水の情報を伝えてしまったようだ。
問い合わせた相手は、愛媛県の農業担当者。内容は、同県から無断で中国に流出しているのではないかと疑いを持った「愛媛38号」についてである。
このカンキツを事前に中国の検索エンジンで調べると、苗の販売や栽培に関する情報がいくらでも見つかったのだ。一連のサイトに載っている情報が確かに「愛媛38号」についてであるなら、育成者である愛媛県のあずかり知らぬところで、その産地が形成されているのではないか。やがて農業担当者から返ってきたのは、意外な答えだった。
「愛媛38号は、市場にはデビューしていません。県の研究所内にしかないはずなんですよ」
ふつう、都道府県は種苗を育成したら、その都道府県名を冠した「系統名」を付ける。愛媛県なら「愛媛○号」、あるいは「愛媛果試○号」という感じだ。
その系統が収量や品質で優れていると判断して、市場に送り出す場合には、農水省の品種登録制度に基づいて「品種登録」をするのが一般的である。たとえば「愛媛34号」という系統は「甘平(かんぺい)」として品種登録されている。
■品種登録に至る系統は1万に1つ
品種登録をするのは、種苗法に則って育成者の権利が保護されるからだ。保護されるとは、種苗や収穫物、一部の加工品を商業目的において独占的に利用できるという意味である。
系統のうち品種登録に至るのはごくわずかだ。愛媛県によれば、カンキツでは1万に一つ、二つとのこと。
(略)
■日本で商業栽培すらされていない「愛媛38号」がなぜ中国に渡ったのか
「愛媛38号」、正式名称「愛媛果試第38号」はというと、品種登録はされておらず、残念ながら2022年9月時点では日本では商業的に栽培されていない。ただ、皮肉なことに無断で流出した先の中国では商業栽培され、さらに愛称「果凍橙(ゼリーオレンジ)」や略称「愛媛橙(愛媛オレンジ)」などいくつかの名前で呼ばれるほど親しまれている。県の研究所内だけで細々と栽培が続いているはずのカンキツが違法性の疑われる形で流出している可能性があることに衝撃を受けた。
厄介なことに、中国で「愛媛38号」が普及しているのは四川省だけに収まらない。中国版「ウィキペディア」である「百度(バイドゥ)百科」によれば、湖北省、湖南省、浙江省、福建省でも産地化されている。つまり、上海のすぐ隣の沿海部からチベット自治区に近い内陸部まで、東西およそ2000キロ、南北数百キロにわたって産地が点在する。直線距離だけでいえば、北海道の最北端から九州の最南端までが約1900キロだから、それよりも長い。もちろん、一つの品種や系統がこれだけの範囲で広がっている事例は日本ではない。
「愛媛38号」は、中国ではしばしば“フルーツのトップスター”として持ち上げられてきた。そもそも中国全土のカンキツ生産量は5000万トンを超えており、世界で1位である。1980年には100万トン程度だったのが、経済発展とともにすさまじい勢いで生産を伸ばし、リンゴを抜いてフルーツの中で1位になった。そんな「柑橘帝国」中国のネット通販で頭角を現したのが「愛媛38号」なのだ。
以下全文はソース先で
■1998年に「研究団」と称して30以上の品種を持ち帰る
■中国の「愛媛38号」が別物である可能性はほぼゼロ
■農産物の流出は死活問題
■日本は知的財産の保護に無関心だった
■「中国人の視察団が帰ると枝が切り取られていた」
■中国は国家的に種苗の流出に加担している
■中国でのシャインマスカットの栽培面積は日本の約29倍
■シャインマスカットの損失額は推計で100億円以上
2023年01月09日 15時15分PRESIDENT Online
https://news.nifty.com/article/magazine/12179-2095562/
引用元: ・【PRESIDENT】シャインマスカットと同じ構図に…中国が愛媛の「門外不出の高級カンキツ」を自国で堂々と生産 [1/9] [ばーど★]
学習しろよいい加減に
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