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 8日、ダカール2023は前半戦の最終行程アル・ダワディミ~リヤド間で346kmの競技を行ない、サウジアラビアの首都リヤドに到着した。

 ハイブリッドシステムを搭載した日野600シリーズでトラック部門に参戦する日野チームスガワラ(菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組)は、この日のSS(競技区間)を同部門総合9位で走破。累積順位12位を守って前半戦を終了した。

文/トラックマガジン「フルロード」(日野チームスガワラSNSより)、写真/日野チームスガワラ・ASO

変化に富みナビの負荷が大きいステージ

ステージ8をSS総合9位でリヤドに到着! 日野チームスガワラは累積総合12位で前半戦を折り返し【ダカールラリー2023】
豊富な知識と経験を持つチーフメカニックの鈴木誠一と話す菅原照仁

 8日のSSは当初7日に予定されていたアル・ダワディミ基点のループコースの後半、約4分の1をカットした346km。アル・ダワディミのマラソンビバークから95kmのリエゾン(移動区間) で西に移動した山間地からスタートした。

 序盤の路面は石の多いピストから砂地のワダチと変化。その後は砂丘地帯が40kmほど続き、後半部分は広いグラベルから山間部の砂地のワダチ、終盤には再び砂丘が現れる。

 変化に富み、ナビゲーションの負荷が大きいステージだった。SSのゴール後は383kmのリエゾンで東に向かい、首都・リヤドに到達した。

水温上昇のトラブルを抱えつつも無事リヤドに到着

 前日に引き続き水温上昇のトラブルを抱えた日野600シリーズだが、スタート直前とSSの途中にあるニュートラルゾーン(計時に含まれない移動区間)で冷却水を補給することで問題なくステージをクリア。

 再びハイブリッドシステムが作動しなくなる不具合はあったが、タイムロスを喫することなくゴールに到着した。

 明日9日はリヤドで中間休息日を迎える。競技は休みだが、メカニックは水が減少する原因の特定を最優先で作業を開始。

 休息日では前後軸のリーフスプリング、トランスファーなどの定期交換も予定しており、さらにハイブリッドシステムのインバータと電動機、故障しているエアコンのコンプレッサの交換など作業予定は盛りだくさん。

 メカニックたちは車両が到着すると早速作業に取り掛かった。

チームメンバーのコメント

菅原照仁
冷却水が減って水温が上がる前に(冷却水を)補充することで問題なく走れています。今日の砂丘は雨の影響か湿りすぎで泥のように抵抗が大きくなって走りにくいところがありました。今の日野600は余裕で上位のトラックに追いついていけるポテンシャルがあります。後半戦はさらに順位を上げていけるように頑張ります。

染宮弘和
砂丘もありましたし、たくさんワダチがある中で距離とカップ(方位)を合わせて正しいワダチを選びながら進む区間など、ナビゲーションの忙しい一日でした。

望月裕司
冷却水を足しながら走っているだけで、パワーダウンは感じられません。エンジン本体には問題がなく、外部で水が漏れているのかも知れません。明日は中間日なのでしっかり確認したいと思います。

佐藤龍晴(メカニック)
現場の様子は前回大会時と同じ。作業量が多い印象ですが仕方ないかも知れません。毎日朝までの生活パターンにはもう慣れました。調子良く走ってくれればという気持ちです。

森田淳平(メカニック)
ダカールの現場に派遣されたのは2009年以来2回目です。当時は南米の初年度で、日野チームにとっては初の改造クラスで、さまざまなトラブルに見舞われました。それに比べれば今回は順調だと思います。

佐藤忠章(メカニック)
今大会に向けては日野ZS(日野700シリーズZS)のアシスタンストラックも荷台の中を改良してもらい、重いミッションの上げ下ろしなど仕事がやりやすくなりました。日野600は前回に比べてトラブルが減り、熟成されたように感じます。まだ弱いところが壊れるのは仕方ないですね。

毛塚麻由美(サポート)
今回はアシスタンストラックのドライバーとビバークでのサポートを担当しています。日野ZSのマニュアル16段ギアボックスは大きく減速した際に、何速に入れたらいいか迷うことがよくあります。この役目をしっかり務めたいと思っています。

近内舜サポート)
今年はメカニックさんの人数が増え、状況によっては交代で休憩できるようになってきました。サポート担当としては連泊が増えて移動の回数が少なくなったのが嬉しいですが、この寒さは想定以上でした。

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