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 日産キャラバン。言わずと知れた「職人のクルマ」でもあるキャラバン。実は日産モータースポーツ&カスタマイズ(前身はオーテックジャパン)が手掛ける「キャラバンオーテック」が最近かなり話題になっている。

 実用性のなかに上質さをプラスして、街中でも普段使いでもかっこいいワンランク上のキャラバンになっている。そんなキャラバンオーテックを今回は女性ジャーナリストの伊藤梓さんに使ってもらった。彼女のアクティブな1日を見ていこう。

文:伊藤梓/写真:塩川雅人(ベストカーWeb)
※正式な車名は「キャラバンAUTECH」ですが当企画内では「キャラバンオーテック」と表記します

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■圧倒的実用性に華を添えるオーテックの知見

専用グリルはギラギラしすぎない。オーテックブルーのエンブレムが華を添える

 普段はマツダ・ロードスターに乗っている私。この1台だけで、仕事へ行くにも、遊びへ行くにも、サーキットに行くにも……なんでもこなしています。ただ、2シーターのスポーツカーで、やれることに限界があるのは確か。

 特にサーキットへ行く時には、レーシングギアと工具で荷室と助手席はいっぱいになるし、替えのタイヤはもちろん積めません。「もう1台便利に使えるクルマがあったらなぁ」とつい思ってしまうことも。

「それじゃあ、もし本当にもう1台を選ぶとしたらどんなクルマがいいのだろう?」と考えてみることに。コンパクトなクルマは使い勝手は良さそうだけれど、器材を載せて遠出するとしたら、もっとパワーがあった方がいいし、荷物があっても車中泊できるくらいのスペースがあるとさらに助かる……。

刺繍入りのシートなどオーテックならではの内装がいきる

「そうなると、ワンボックスカーも良いのかも!」と思い至りました。とはいえ、“働くクルマ”としてバリバリ使われているイメージが強く、日常の使い勝手がどうなのかは気になるところ。そこで、自分の使用シーンに合わせて、実際に試乗してみることにしました!

 今回、用意したクルマは日産キャラバンオーテック。パッと見た時に、「あれ?普通のバンよりかっこいい!」と感じました。それもそのはず、このキャラバンは名前のとおり、日産のカスタムカーを手掛ける日産モータースポーツ&カスタマイズが特別に仕立てたモデルなのです。

専用エアロでグッと引き締まったスタイリング。女性だってキャラバン需要は高いと思う

■湘南ブルーを身にまとい優雅なクルージング

市街地でのマッチングも抜群。フラッと立ち寄った横浜の街にもダークブルーが自然と溶け込む。メッキグリルの色味も最高だ

 ボディには、オーテックのイメージカラーのブルーが塗られていました。このブルーのボディカラーは、他のオーテックモデルにもブランドのアイコニックカラーとして共通して採用されていますが、モデルによって微妙に色合いを変えているそうです。

 暗めのカラーリングなのに、キャラバンのように大きいボディでも重く見えにくいのは、この細やかなカラー調整のおかげなのかもしれません。他にもオーテックならではのパーツがたくさん装着されています。特に目を引くのは、キラキラしたグリル。

 日産モータースポーツ&カスタマイズはサザンオールスターズの桑田佳祐さんの出身地でも有名な湘南は茅ヶ崎にあるので、海をイメージしたモチーフが多く取り入れられています。このグリルも太陽の光が海面にキラキラとしている様子をイメージして作られており、ひとつひとつのパーツがどの角度から見てもきらめくようになっているそうです。

 他にも、専用のアルミホイールやエアロパーツが装着されていて、商用車とは思えないような豪華な雰囲気。また、走行中は、ブルーのデイライトが点灯するようになっていて、ひと目見てすぐオーテックと分かるところも素敵なポイントです。

専用ホイールを装備。キャラバンはホイールを交換するユーザーも多い車種だが、オーテックなら最初からかっこいいホイールがついてくるのも嬉しい

最初は、「キャラバンは商用車だから愛着が湧くクルマではないだろう」と思っていたのですが、オーテックモデルは、しっかりと使えるクルマの中にもおしゃれな要素があって、触れているうちに少しずつその魅力に引かれていきました。

 乗り込んでみると、室内は外観よりもっと上質。オーテックの刺繍が施されたシートは座り心地もよく、本革巻きのステアリングも運転をより楽しくしてくれます。インテリアをパッと見れば、ちょっと高級なミニバンにも劣らない雰囲気。エンジンをかけた時のディーゼルエンジンのブロロロという音で「あ、そういえばキャラバンだった」と我に返りました。

■抜群の実用性とオフでの使い勝手のよさ

色づき始めた紅葉をバックにキャラバンオーテックが駆け抜ける。その存在感は圧倒的

 まずは、サーキットユースを考えて、タイヤなどをしっかり載せられるかどうか試してみることに。一般道から高速道路へ入り、数十km離れたサーキット仲間の友人宅へとキャラバンを走らせます。

 2022年2月のマイナーチェンジで刷新されたというディーゼルエンジンは、パワーはしっかりと出るし、高速道路で速度が乗ってくるとペダルのコントロールも少なくて済むので、運転は思いのほか楽。

 そして、高速道路を降りて、細い道を入っていく時に驚いたのは、その抜群の回頭性です!試乗車のキャラバンはFRだったので、普通のミニバンなどとは違い、ボディは大きくてもするっと路地へ入って行くことができました。

 想像以上に快適なドライブを経て、友人宅へ到着。早速リアゲートを開けてタイヤを積み込みます。荷室は十分すぎるほどのスペースがあるので、4本のタイヤを簡単に積載することができました。

 さらにヘルメットやレーシングギア、工具などを載せてもまだ余裕があります。「これなら、今まで載せられなかったフロアジャッキも積めそうだし、サーキットではレーシングスーツを掛けたり、休憩スペースにもできたり、まだまだ色々な用途がありそう」と感じました。

サーキット仲間の自宅で32GT-Rのホイールを積み込む。そういえばスカイラインの
生みの親である桜井眞一郎さんは日産モータースポーツ&カスタマイズの前身、オーテックジャパンの創業者だ

 働くクルマとしての使い勝手の良さはもちろん、専用デザインに仕立てられていることで、より気分良く快適に運転することができるので、もっとどこかへ出かけたくなりました。友人宅からは海が近いので、少し足を伸ばしてみることに。

 海岸沿いを走っていると、深い海の色をしたキャラバンが、くじらのように道路の上を泳いでいるようなイメージが湧いてきます。冬の海は、ひんやりした風に潮の香りが乗ってきて、心が洗われるような感覚になりました。キャラバンの後席に腰掛けて、コーヒーを飲みながら海を眺めていると、忙しい日々を振り返り「たまにはこんな時間が必要だなぁ」としみじみ感じます。

 キャラバンの車内は広いので、ワーケーションにもぴったり。ここでちょっとした仕事をしたり、こうやって遠出してのんびりリフレッシュをすることもできます。最初は「キャラバンをバリバリ使うぞ!」と思っていましたが、予想もできないくらい贅沢な時間を過ごすことができました。

 最初は、商用車としてのイメージしかなかったキャラバンでしたが、オーテックの専用パーツに身を包んだキャラバン オーテックは、一味違う魅力を感じさせてくれました。サーキットのサービスカーとしてもバリバリ働いてくれるし、万が一の車中泊もOK。

 その上、作り込まれたデザインや上質で過ごしやすい空間づくりのおかげで、ゆったりと自分らしい時間を過ごすこともできる。普通の乗用車ではできないような体験ができるから、より自分の活動の幅が広がる、夢のあるモデルだなと感じました。

スライドドアのサイドステップに腰かけて湘南の海を見る。忙しい時代、少し落ち着く時間も必要だ。キャラバンオーテックはなんだか気分を落ち着かせてくれる

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