自動車ユーザーがもっとも心配していることの一つが、車両の盗難やいたずらだろう。事故や盗難の対策としてドライブレコーダーは欠かせないものとなっている。しかし、こういったトラブルが増加する中、新たな対策が求められている。
今回はパイオニアがユーザーに行った調査をもとに、自動車トラブルの実態をお伝えする。
文/ベストカーWeb編集部、写真/パイオニア、ベストカーWeb編集部
■自動車の盗難件数は1割以上増加している
今や事故の記録だけでなく、自身の身を守るために必須アイテムといえるドライブレコーダー。そんなドラレコについて、パイオニアは車を保有する男女1200 名を対象に、「ドライブレコーダーの利用状況に関する調査」を実施した。
昨今、高級車や人気車種の盗難が急増、警察庁が2022 年10 月に発表した犯罪統計資料(※1)によると2022 年1~9 月の車両盗難の件数は4297 件と、2021年同期比12%増と大幅に増加している、
※1: 警察庁「令和4 年1~9 月犯罪統計」参照
一方で検挙率は42.9%と2021年同期比で7.2%減となってしまっている。計画的な犯罪の増加などにより検挙されづらいことが推察されるという。
駐車中のトラブルとその対策に関する本調査では、ドライバーの8 割以上がドアパンチや当て逃げに、6割以上が車両の盗難に対して不安を感じていると回答。
また、ドライバーの31.5%がドアパンチ、20.9%が当て逃げ、8.7%が車上荒らしの被害を実際に受けたことがあると回答していることから、駐車中のトラブルは誰にでも起こりうる身近なリスクであることがわかる。
これらを未然に防ぐ対策として、「クルマの位置情報把握」「警告音」「異常検知」が効果的という回答が上位を占めており、また盗難されやすい車両(※2)の保有者の66.6%が「車内の様子をモニタリングできると安心である」と回答した。
※2: 一般社団法人日本損害保険協会「第23 回自動車盗難事故実態調査結果」より、2021 年車両本体の盗難の多かった上位10 車種を対象とする
その一方で、盗難されやすい車両の中でもGPS 機能による対策を講じているとする保有者は、一般車両の保有者に比べて2 倍近いものの、わずか13.4%に留まった。不安や懸念を抱えながらも、トラブルへの対策が追い付いていないのが実情だ。
■8割以上のドライバーが当て逃げやドアパンチに対して不安と回答
パイオニアが車を保有する男女1200 名を対象に行った「ドライブレコーダーの利用状況に関する調査」では、実際にユーザーが受けた被害や不安についても質問を行っている。
なんと全体の2.3%は過去に車両盗難の被害にあったことがあるという。駐車中のトラブルに対する不安に関する質問では、回答者の82.7%が当て逃げやドアパンチに対して不安を、72.2%が車上荒らしに対して不安を感じていることが明らかになった。
実際にドアパンチは31.5%ものユーザーが被害にあっており、当て逃げも20.9%と想像以上に多かった。
■効果があると感じる対策は
盗難されやすい車両のドライバーからは「GPS 機能」や「モニタリング機能」への要望が多いという。
車両盗難や車上荒らしに対してどのような対策が効果があるかについての質問では、「位置情報がすぐに分かる」との回答が48.6%と最も多く、「音声によるアラート」、「異常を検知した際の通知」が続いて求められている。
ドライブレコーダーだけでなく、こういった機能を持つアイテムへの需要が高まっているといえそうだ。
また、ドライバーの中で実際にGPS 機能を使った対策をしている割合は、一般車両保有者の8.0%という結果に対し、盗難されやすい車両の保有者は、13.4%が対策しているという結果になった。
さらに盗難されやすい車両の保有者のうち、66.6%が「車内の様子をモニタリングできると安心である」と回答。一般車両保有者は59.5%となり、盗難されやすい車のドライバーの方がより強く位置情報の把握や、モニタリング機能を求めていることがわかる。
■パイオニアNP1に新機能追加
パイオニアのNP1は声ナビ、クルマWi-Fi など多彩な機能を搭載し、運転中のあらゆる場面で会話を通してドライバーをサポートする世界初のAI 搭載通信型オールインワン車載器だ。
NP1は、サービスや機能の追加・更新を「通信」で行うことで、購入後も継続的にユーザーの使い勝手や体験が向上していくのが特長。
先日実施されたアップデートでは、常に愛車を見守ることができる新しいセキュリティ監視機能の「マイカーウォッチ」を追加した。
今回新たに「マイカーウォッチ」機能が追加されることにより、車上荒らしや車両盗難などが発生した際に、「My NP1」から車室内や車外前方のカメラ映像、位置情報、速度情報など、車両が置かれている状況をリアルタイムに確認することが可能となる。
さらに、本機を通じて警告メッセージを発報し、トラブルを未然に防ぐ効果が期待できるという。車両盗難に対しての大作としては有効だといえるだろう。
今後はこういったカメラと通信機能を組み合わせることで車両の盗難やいたずらに対応するカー用品への需要が増えそうだ。
【画像ギャラリー】ドライビングパートナーパイオニアNP1とは?(4枚)画像ギャラリー
投稿 ええ!! ドアパンチ経験者3割!? 当て逃げは2割も!! ユーザー調査で分かった自動車盗難の実態と対策 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。