FIA世界モータースポーツ評議会の2022年最後の会合が、12月7日に実施され、いくつかの決定事項が発表された。そのなかで、F1スプリントに関する財務レギュレーション変更が確定したことが明らかになった。
2021年にスプリントフォーマットがF1に導入された。フリープラクティスを3回から2回に減らし、金曜に予選を行い、その順位をグリッドとした100kmのスプリントレースを土曜に実施、そのリザルトを日曜決勝グリッドに反映させるという形式だ。これにより走行距離が通常のグランプリフォーマットよりも増えること、スプリント中にアクシデントが発生してマシンにダメージを負う可能性があることが考慮され、F1財務レギュレーションにおけるバジェットキャップのコスト計算に特別な規定が設けられた。
具体的には、スプリントセッションを含むグランプリについては、年間の関連費用の算出において、1戦につき15万ドル(約2000万円)の下方調整を行うことが定められている。また、スプリントセッションにおけるアクシンデントダメージについては、リタイア、あるいはピットレーンに戻らなければならなかった場合、コストキャップ管理委員会の承認を得た上で、年間の関連費用の算出において、10万ドル(約1300万円)の下方調整ができる。アクシデントの損害額が10万ドル(約1300万円)を上回っていた場合、差額に相当する下方調整を行うことも認められていた。
しかし、スプリントフォーマットのグランプリが6戦に拡大される2023年に向けて、これらの規定が見直され、よりシンプルな形になった。11月18日のF1コミッションで決定した事項を承認する形で、FIAは、2023年と2024年の財務レギュレーションを修正し、スプリント実施に伴うコスト総額の下方調整額をこれまでの倍の30万ドル(約4000万円)に設定、アクシデントによる調整は行われないことを発表した。