マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザク・ブラウンは、2022年夏のアルピーヌとの契約問題のなかで、若手ホープのオスカー・ピアストリの人柄に特に感銘を受けたと述べている。
ピアストリは、フェルナンド・アロンソがアルピーヌを離脱してアストンマーティンに移籍するという予想外の決定を下したことで、脚光を浴びることになった。アロンソの移籍でアルピーヌはジュニアドライバーを2023年のレースシートに昇格させ、エステバン・オコンのチームメイトにしなければならなかったのだ。
しかしピアストリはそのオファーを断り、アルピーヌとは2023年に向けた有効な契約を交わしていないと主張した。ピアストリが2023年にマクラーレンに加入することが知れ渡ると、アルピーヌはチーム代表のオットマー・サフナウアーを通してピアストリが忠誠心と誠実さに欠けていると非難した。
契約上の対立は最終的にFIA契約承認委員会によってピアストリに有利な形で解決されたが、その過程においてもピアストリは火に油を注ぐようなことはせず、控えめな態度を取り続けた。
「非常に集中力がある。成熟しており、決断力がある。感情の起伏が激しくないようだ」と、ピアストリの第一印象について尋ねられたブラウンは『Speedcafe』に語った。
「夏の間の騒動を通じて、そうしたことの多くを目の当たりにした。彼は21歳だが、大規模OEMであるアルピーヌから告発されて裁判になったのだ」
「21歳であれに臆さずにいるにはかなり強靭な性格でいなければならない。彼はそうだったし、冷静さを保ち続けていた。彼は走行によって証明しようとしていると思う」
ブラウンは、ピアストリの冷静沈着な態度に感心したという。
「オットマーが非常に不快で不正確な発言をしたにもかかわらず、彼は言い返すようなことはしなかった。オスカーは応戦しようとしなかったのだ」
「私が目にしているのは、深く集中し、決意を固めた、成熟した21歳だ。マシンを降りたときでも、マシンに乗っているときでも、そのことが見て取れる。我々が目にしていることは同じだ。それに我々は彼が非常に速いところも見ている」