12月7日に、イタリア・ボローニャで行われたFIAワールド・モータースポーツ・カウンシルでの承認により、2024年からWEC世界耐久選手権とル・マン24時間レースに導入されるGT3ベースの新クラスは『LMGT3』と呼ばれることになった。
いわゆる“プレミアムキット”については、「許可されるが必須ではない」とされている。
■迷走の結果? 以前のコメントとは矛盾も
WECでは2022年シーズンをもってLMGTEプロクラスが終了。LMGTEアマクラスも、2023年いっぱいで終了となり、GTクラスは2024年からGT3をベースとする新カテゴリーへと移行することが2021年に発表されていた。
新たなルールでは、パワートレーンの性能をライブでモニタリングするために、トルクメーターセンサーの装着が必須となる。これは、ハイパーカークラスのレギュレーションに倣うものだ。
さらにACOフランス西部自動車クラブは、LMGT3について「プロ/アマタイプのスポーティング・レギュレーションに基づくカスタマーレースクラスとし、単一サプライヤーが製造する既製タイヤを使用する」と記している。
注目すべきは、これまで『GT3プレミアム』と呼ばれていた車体改造キットがレギュレーションに含まれることだが、FIAは「キットは許可されるが義務ではない」と強調している。
このキットは2022年6月のル・マン24時間レースで発表されたもので、車体改造によってドラッグを低減する細長いボディワークとし、特にル・マン24時間レースで最高速の向上に寄与することを目的としていた。
このキットを採用するかどうかは、11月にバーレーンで開催されたWEC最終戦の時点でも関係者の間で話題になっていた。
今回、FIAとACOは、「メーカーはプロモーション上の理由やル・マン24時間に適した空力性能を得るために、ボディを変更することができる」と明言している。
このキットがル・マンでより高い空力性能を達成することができるものになるという点は、FIAとACOの担当者が以前に述べていたコメントから、顕著に逸脱している。彼らは以前、プレミアムキットの目的は「パフォーマンスに関連するものではない」としていた。