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 いつの時代も高性能エンジンの指標であり続けている「リッター100ps」というキーワード。近年のリッター100psエンジンはターボやハイブリッド技術の普及に伴い、同じ100psでも旧来のエンジンよりトルクフルになっているのが特徴です。

 そのようなリッター100psカーをネットであれこれ検索していると、意外と多いのがリッター100psにわずかに満たない、“ほぼリッター100ps車”。スポーツカーはもちろん、コンパクトカーにも存在しており、比較的安価で購入することができます。今回はそんな“ほぼリッター100ps車”をピックアップしてみます。

文/ABT werke、写真/トヨタ、日産、マツダ

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+400ccでトルクを増強しパワフルになったGR86とBRZ

GR86とBRZのエンジンはピストンのボアを従来の86mmから94mmに拡大し排気量を向上しました

 初代の86/BRZは2リッターのNAながら207ps(後期型)を達成したリッター100ps車。2代目となるGR86とBRZは400ccアップとなり、2.4リッターで235psというスペックを手に入れました。

 リッター100psにはあと5ps足りないものの、自然吸気でこのパワーは立派。トルクが大幅に太くなった分、低速コーナーからの立ち上がりも鋭くなり、より楽しいクルマに生まれ変わりました。

最新テクノロジーの合わせ技でパワーを発揮するマツダ3

薄い混合気を15:1という比率で高圧縮し、爆発させることで高いパワーとトルク、高燃費を実現したSKYACTIV-X

 「SKYACTIV-X」(現e-SKYACTIV-X)はディーゼルエンジンの圧縮着火を応用したガソリンエンジン。世界初の「火花点火制御圧縮着火」を採用しています。2019年12月に発売されたマツダ3に初めて搭載され、実用化。SKYACTIV-Xは2021年に小改良が加えられ、エンジン出力が180psから190psに向上しました。

 マイルドハイブリッドを採用しており、モーター出力(6.5ps)との合計は196.5ps。ディーゼルに次ぐトルクを持ち合わせているのも特徴で、6速MTを選ぶこともできます。

116psのモーターを積む1.2リッターのノート

 エンジンを発電専用とし、その電力で電気モーターおよびタイヤを駆動するパワートレイン「e-POWER」採用したノート。2020年11月にフルモデルチェンジした現行型は、2021-2022年度カー・オブ・ザ・イヤーを獲得したほか、2022年の累計販売台数も4万5000台(ベストカー本誌2022年10月26日号発表値参考)をカウントし、人気を集めています。

 そんなノートの電気モーターの出力は116ps。1.2リッターのエンジンの出力自体は82psですが、エンジンは発電専用です。電気モーターは、踏んだ瞬間から最大トルクが発生してガツンと加速します。体感パワーはリッター100ps以上。独特のワンペダル運転も話題です。

1リッターの直3ターボで98psを発揮するライズとロッキー

 2022年の累計販売台数だけでも5万7000台を超えるヒット(ベストカー本誌2022年10月26日号発表値参考)を飛ばしているコンパクトSUVのライズとロッキー。4WD車に搭載される1リッターの直列3気筒ターボエンジンは98psを発生します。

 ちなみにライズはダイハツのロッキーと兄弟車で、同じことがルーミーとトールにも言えますが、前車と同じエンジンを選ぶことができます。派手さはないものの、限りなくリッター100psに近いエンジンを搭載しているのは注目に値します。

1.2リッターターボを6速MTで操るカローラツーリング(旧モデル)

 かつての多目的スポーツ車といえばツーリングワゴンではないでしょうか。国内ではすっかり鳴りを潜めてしまいましたが、走って楽しいモデルが存在します。

 それがカローラツーリング。直近の一部改良まで搭載されていた(現行型はなし)1.2リッターターボは116psを発生。しかも、このエンジンは6速MTのみの専用ユニットです(カローラスポーツにはAT車も存在していた)。

 この8NR-FTS型エンジンは現在、カローラの全ラインナップから姿を消し、新世代エンジンへと切り替わりました。しかしながら、C-HRのガソリン車にはこのエンジンが搭載されているので、新車で買いたい人はC-HRを選ぶのもありです。

 今回紹介した5車種は勝手にリッター100ps車に認定! 最先端の技術により、ひと昔前のクルマとはまったく異なるドライブフィールを味わうことができるので、次の愛車候補に推しておきます。 一番高価なマツダ3のSKYACTIV-X車でも200万円代で買えるのだから、いい時代になりましたね。

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