12月7日、三重県の鈴鹿サーキットでスタートした全日本スーパーフォーミュラ選手権の鈴鹿合同テストで、大嶋和也を走らせるROOKIE Racingのピットに、2015年/2017年のスーパーフォーミュ王者である石浦宏明の姿があった。2023年からチームの監督に就任するという。
石浦は2015年、2017年と二度のスーパーフォーミュラ王者に輝き、2020年限りでスーパーフォーミュラでは若手にシートを譲るかたちで退いた後、スーパーGT、スーパー耐久等ではドライバーとして活躍を続けながら、スーパーフォーミュラに参戦するP.MU/CERUMO・INGINGではアドバイザーのポジションに。また2022年は、スーパーフォーミュラの次期車両開発にも携わった。
そんな石浦だが、12月7日にスタートしたスーパーフォーミュラ合同テストでは、ROOKIE Racingのウェアを着てヘッドセットを装着、大嶋の走行を見守った。聞けば2023年からの監督として、今季まで監督を務めた片岡龍也から“引き継ぎ”を行っていたのだという。
「『監督』という仕事は初めてなのですが、ROOKIE Racingというチーム自体は立ち上げの頃から関わっていますし、スーパー耐久でもドライバーなので、馴染みがあります。そんななかで、スーパーフォーミュラでは大嶋選手がシーズン中に成績で苦労していると感じていました」と石浦。
「大嶋選手は個人的にも一緒に育ってきたドライバーなので、何か役に立てればと思っていましたが、こうして監督に……というお話をいただき、自分も開発テストにも携わってきたので、『役に立てるかもしれない』と引き受けさせていただくことにしました」
この話が来た後、これまで所属したP.MU/CERUMO・INGINGにも相談。「立川(祐路)さんにも了承をいただきました」と“移籍”を認めてもらい、ROOKIE Racingへの監督就任が決まった。
石浦にとっては、ROOKIE Racingには以前から知っているスタッフやメカニックも多く、「レベルが高い人が揃っている」という。また、「すでに片岡さんがチームをしっかり作ってきてくれていますし、これを引き継ぎ、結果に結びつけられるようにできることを探しながらやっていきたいと思います」とチームの成績向上に貢献したいと語った。
この日はさっそく、レースコントロール無線を聞く“慣れ”を進めるなど、初監督に向けての仕事をスタートさせている。2007年にはともに全日本F3を戦うとともに、スーパーGT GT300クラスではコンビを組んでチャンピオンも獲得。そろってGT500に上がるなど、苦楽をともにしてきた大嶋とのコンビネーションは、さらなる飛躍へのきっかけになりそうだ。