マイケル・アンドレッティ率いるアンドレッティ・グローバルが、アメリカの自動車メーカー、ゼネラルモーターズと提携し、アンドレッティ・キャデラックとしてF1エントリーを目指すと発表したことについて、FIAとF1がコメントした。
1月2日、FIA会長モハメド・ビン・スライエムは、F1チームを立ち上げることに関心を持つ者を確認するためのプロセスをスタートする意向を発表、「FIAの我がチームに対し、FIA F1世界選手権の新チーム候補の関心表明プロセスを開始することを検討するよう要請した」と述べた。
これを受ける形で、5日、アンドレッティはゼネラルモーターズと共にF1への参戦を目指すこと、チーム名にはキャデラックブランドを使用し、『アンドレッティ・キャデラック』とすることを発表した。
2021年、マイケル・アンドレッティはF1参戦の意向を示し、既存チームとの提携の道を探った。アルファロメオF1チームを運営するザウバーとの交渉を進めたものの、最終的に契約に至らず、別の形でプロジェクトを進める道を模索していた。
ビン・スライエムFIA会長は、アンドレッティ・キャデラックの発表を歓迎し、「キャデラックとアンドレッティがパートナーシップを結んだというニュースを歓迎する。FIAはFIA F1世界選手権への関心表明プロセスについてさらに議論を進めていく」とコメントした。
「アメリカからのこのニュースは、FIAの管理下にあるFIA F1世界選手権の人気と成長をさらに証明するものだ。特に、ゼネラルモーターズ/キャデラックとアンドレッティ・グローバルという2つの象徴的なブランドが興味を示したことは、喜ばしいことである」
「FIAの2026年PUレギュレーションは、OEM各社に好意的に受け入れられており、アウディの参戦決定につながった。その他にもエントリーがなされるなら、さらなる成果といえるだろう」
「関心表明のプロセスは、FIAの厳格なプロトコルに従って行われ、数カ月を要することになる」
一方、F1既存チームの多くは、エントリー数が増えることを歓迎していない。それによって分配金が減少するからだ。F1新規参入者には、希薄化防止課徴金として2億ドル(約261億円)が科され、これが既存チームに均等に分配されることが決まっているものの、アンドレッティのF1プロジェクトに対し、否定的な声が多く上がっている。
今回のアンドレッティの発表を受けて、F1は、他にも関心を持っている企業が存在するとして、エントリーには厳格な審査が必要であると強調するコメントを発表した。
「現時点で、F1プロジェクトには大きな関心が向けられている。目立つ会話がある一方で、多数のそれほど目立たない会話が継続している」
「我々はこのチャンピオンシップが信用と安定を保つことを望んでいる。新規参入の要請は、関連するステークホルダーにより、これらの目的を満たすための基準に基づいて評価される」
「新規参入の要請には、F1とFIA両方の同意が必要になる」