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 ウイリアムズF1チームと元スポンサーである通信会社ROKiT(ロキット)社の契約問題について訴訟手続きが行われた結果、アメリカの裁判所がROKiT側に2600万ポンド(約43億円)以上を支払うよう命じる判決を下した。

 ウイリアムズは2019年シーズン前にROKiTとの契約を結び、そのシーズン途中に、2023年末まで契約を延長することで両者は合意した。しかしCOVID-19のパンデミックによる影響を受けた2020年、開幕が延期され、シーズンがスタートする前の5月に、ウイリアムズとROKiTの契約は打ち切られた。

2020年F1バルセロナテスト ウイリアムズ・レーシングのトラック
2020年F1バルセロナテスト ウイリアムズ・レーシングのトラック

 当時から、スポンサー側が契約上の義務を果たさず、350万ポンドから500万ポンド(約5億8000万円~8億3000万円)の分割での支払いが何度か滞っていたことが、契約打ち切りの理由であると伝えられていた。その後、ウイリアムズは契約不履行について法的措置を取り、仲裁を行ったロサンゼルスの連邦裁判所は、2022年1月、ウイリアムズが不利益を被ったと判断し、ROKiTがウイリアムズに3578万ドル(約49億円)の賠償金を支払わなければならないとの判決を下した。

 これに納得しないROKiTは、この件をさらに追求したが、先週、カリフォルニア州中部地区連邦地方裁判所のクリスティーナ・シンダー判事は、再び、ROKiTに対してウイリアムズに賠償金を支払うよう指示する判決を下した。金額は約26,220,094.25ポンド(約43億円)で、ROKiTはまた、ウィリアムズ・レーシングの訴訟費用として100万ポンド(約1億6000万円)をも支払わなければならない。

 ROKiTはF1から退いた後も、モータースポーツでのスポンサー活動を継続、インディカーのAJフォイト・レーシングのサポートをしたが、ここでも未払いの問題が起きている。ROKiTは、フォーミュラEでは、次シーズンにマセラティと提携するベンチュリ・レーシング・チームへのスポンサーを務めている。