サウジアラビアで開催されている『第45回ダカールラリー2023』は1月5日、競技5日目のステージ5が行われ、GRダカールハイラックスT1+をドライブするナッサー・アル-アティヤ(TOYOTA GAZOO Racing)が今大会2度目のステージ優勝を果たした。
前日のステージ4に続き、ハイルのビバークを起点としたループステージで争われた競技5日目は、ハイルの東側に広がる砂漠地帯に設定された373kmのステージ5が戦いの舞台となった。
■ペテランセルが総合2番手に浮上
ここではアウディRS Q e-tron E2をドライブするステファン・ペテランセル(チーム・アウディスポーツ)と、トヨタのアル-アティヤ、そしてWRC世界ラリー選手権の“レジェンド”セバスチャン・ローブ(バーレーン・レイド・エクストリーム)の3人が速さを見せたが、182km地点でライバルからリードを奪った前年ウイナーがそのままトップタイムでフィニッシュした。
一方、ダカール通算14勝を誇るペテランセルは終盤にペースが落ち、僚友のカルロス・サインツ(チーム・アウディスポーツ)に抜かれ3番手で同ステージを終えることに。また、アル-アティヤに次ぐ2番手タイムで走行していたローブも終盤の20km地点で手痛い転倒があり、引き起こされた直後に行ったホイール交換を含めて約20分を失うこととなった。前日にステージ優勝を飾ったWRC元9連覇王者は、この影響によりステージ9番手でのフィニッシュとなっている。
総合順位ではアル-アティヤの首位は変わらず。一方でステージ4番手となったヤジード・アル・ラジ(オーバードライブ・レーシング)は総合2番手から3番手にダウン。代わってペテランセルが総合2番手に浮上した。総合4番手にはサインツがつけている。
トップからのタイム差は2番手ペテランセルが22分36秒、3番手アル・ラジが27分01秒、4番手サインツが34分52秒。総合5番手につけるヘンク・ラテガン(TOYOTA GAZOO Racing)は57分58秒と、トップ5までは1時間以内のギャップに収まっている状況だ。
■ホンダ、連日のステージ1-2達成
二輪部門ではホンダCRF 450ラリーで参戦しているエイドリアン・ヴァン・ベバレン、ホセ・イグナシオ・コルネホのモンスターエナジー・ホンダ・チーム勢がステージ・ワン・ツーを記録。ヴァン・ベバレンは32歳の誕生日の翌日に自身3度目となるステージウインを飾ることとなった。ステージ3番手はトビー・プライス(レッドブル・KTMファクトリー・レーシング)でホンダ勢から4分近くの後れを取っている。
総合順位は前日までの首位ダニエル・サンダース(レッドブル・GASGASファクトリー・レーシング)が8番手に後退し、これに代わってスカイラー・ハウズ(ハスクバーナ・ファクトリー・レーシング)が新たなラリーリーダーとなっている。KTMのプライスが2分7秒差の総合2番手、同3番手にはケビン・ベナビデス(レッドブル・KTMファクトリー・レーシング)が続く。ハウズとのタイム差は5分16秒だ。
■TLCの新型ランドクルーザー・GRスポーツにトラブル発生
日本勢ではチームランドクルーザー(TLC)のロナルド・バソが順調にステージ5を走破した一方、チームメイトの三浦昂は駆動系トラブルに見舞われ135km地点でストップ。サポートカーに牽引されてハイルのビバークに戻ることとなった。これにより大きく遅れることとなった三浦は四輪部門総合135番手に後退している。
なお、総合105番手につけるバソと三浦は四輪市販部門では依然ワン・ツーを築いている。
トラック部門で日野600ハイブリッドを走らせる菅原照仁(日野チーム・スガワラ)はパンクやトラブルに遭うことなく部門9番手でステージ5を走破した。
しかし、通過したウェイポイントのうち1箇所のデータがGPS機器に記録されていなかったため、15分のタイムペナルティを受け11番手となってしまう。それでも、総合順位はトラブルに見舞われた前日から3つ上がりトラック部門13番手となった。
1月6日(金)は当初ハイルの南東に位置するアル・ドゥワディミへ向かう予定だったが、アル・ドゥワディミのビバークは大雨の影響で設営が困難な状況となっている。そのためラリーの主催者は、ステージ6を100km短縮しSS終了後は2日前倒しでリヤドに向かうことを決めた。
後半部分が削られたステージ6の全長は358kmに。リエゾン(移動区間)を含めた1日の総走行距離は768.69kmとなっている。