アルピーヌのエンジンサプライヤーであるルノーは、2022年にマシンの信頼性に影響を与えたウォーターポンプの問題を、2023年に解決できると確信を持っている。
2022年シーズンのアルピーヌのパフォーマンス改善は、ルノーがパワーユニットを大幅に刷新したことも一部貢献している。刷新された部分は、内燃機関、ERS、ターボとその配置のほか、メルセデスが2014年に先駆けて開発したスプリットターボへの切り替えなど、すべての領域における広範な構造の変更が含まれている。
しかしながらビリー-シャティヨンにあるファクトリーのエンジニアは信頼性よりもパフォーマンスの改善を優先したので、エンジンの補助部品に関連する問題がいくつか浮上し、それは特にフェルナンド・アロンソに影響を与えた。アロンソはサウジアラビア、イタリア、シンガポール、メキシコの4戦で、エンジンに起因するリタイアを喫している。
しかしルノーのエンジン責任者ブルーノ・ファミンは、エンジンの深部に潜んでいるような根本的な問題はないと主張している。
「エンジンそのもの、ICEに大きな問題はない」とファミンは説明した。
「シンガポールで問題があったのは事実だ。実際、非常に奇妙なものだった。8周の間にふたつの異なる問題が発生するとは信じられないようなことだったが、そうなったのだ」
「あとの問題は、ウォーターポンプや燃料ポンプなどの補助部品寄りのことだ。こうした件については2023年に解決できるだろうとかなり楽観視している」
ファミンは、ルノーは2023年シーズンに向けてエンジンの運用方法を変えたり、信頼性を確保するためにパワーを抑えたりする必要はないと明言した。その代わりに補助部品のコンセプトとデザインの改良に重点を置くという。
「我々は何も後戻りさせることはないと思う。特に補助部品の側面の詳細について、すでに深く掘り下げているし、今後もそうしていく」
「ウォーターポンプはシーズンを通じて我々の頭痛の種だった。2022年中にできる限りの改善を行ったが、明らかに十分ではなかった。変えなければいけないのはウォーターポンプのコンセプト自体で、2023年に向けて変更する予定だ。そして2023年からはこの問題が解決されることを願っている」
また、ルノーはエンジンの信頼性検証プロセスについても取り組んでいる。2022年はパフォーマンスに重点が置かれていたため、この作業は優先順位が低かったのだ。
「我々は検証プロセスを推進して改善を行っており、2022年に行ったよりもはるかに優れた、できる限り最高の方法で実施しようとしている。2022年にこのことを完全にやらなかったのは、望んでいなかったからではなかった。我々は開発面の方をプッシュすることを望んでいたのだ」
「2023年の目標は、同じレベルのパフォーマンスを確実に維持し、すべてにおいて信頼性を高めることだ」