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マクラーレンV10を搭載した史上最も希少なダッジ バイパー。ASCマクラーレン ダイヤモンドバック バイパーは、カーボンドレスのワンオフモデル!

言うまでもなく、「ダッジ バイパー」は、アメリカを代表するスポーツカーだ。ファンの大きな悲しみの中、2017年に第3世代で生産終了となったUSアイコンモデルだが、今回、歴代「バイパー」の中でも特に希少な「ダッジ バイパー ASC マクラーレン ダイヤモンドバック」を購入する機会が訪れた!

このユニークな作品は、過去に数回、約29万5000ドル(約4,000万円)相当で落札された後、現在、オークションプラットフォーム「Bringatrailer.com」に出品されている。その値段は標準的なバイパーの3~4倍程度になる。しかし、「ダイヤモンドバック バイパー」が特別なのはなぜだろうか?

カーボン製のボディパーツが多数登場

2006年、ダッジはデトロイトモーターショーにワンオフモデルを出展した。当時のキャッチフレーズは、「まったく新しい皮をかぶった蛇だ!」。また、一見すると普通の「SRT-10」クーペに見えても、「バイパー」には大幅な改造が施されていた。ボディのいくつかの部品はカーボンでできていて、フロントスプリッター、サイドスカート、ボンネット、ルーフ、そしてスポイラーリップを含むリアスカート全体が、精巧なカーボン製となっている。作業は「アメリカン スペシャリティ カーズ(ASC)」が担当し、高価な素材を見えるようにするため、サイドスカートやリアセクションなど一部のパーツはあえて塗装せずにカーボン地のまま残し、ボンネットとルーフは「アークティックアイスパール」という色で部分塗装し、「バイパーブルー」と「マクラーレンオレンジ」でアクセントを付けた。

バイパーのインテリアはどちらかというとダサい。

しかし、カーボンを多用したのはビジュアル的な理由だけでなく、約50kgの軽量化が実現されたからだ。275/35 ZR19と345/30 ZR19のマルチピースカッパーヘッドホイールとともに、最終的には、約65kgの軽量化を実現した。ASCはローダウンと、キャリパーにバイパーのロゴが入った大型のブレンボ製ブレーキも装着している。

内装は、ややくすんだシリーズ生産モデルとほぼ同じ。革とアルカンターラを組み合わせたバケットシートには、ブルーのウィランズ製ハーネスストラップが装着されている。以上、それでおしまいだ。

改造の中心はV10で、マクラーレンは吸気ファンネルをオープンにしてリファインした。

一方、エンジンはというと、決して無骨なものではない。この記念碑的な自然吸気V10エンジンには、「マクラーレン パフォーマンス テクノロジーズ」による大規模なモディファイが施された。ハイライトは、昔のマクラーレンのレーシングカーを彷彿とさせるはずのオープンインテークファンネルで、すべて異なる長さのファンネルを持ち、超高性能なエンジンになっている。また、カーボンボンネットの大きな凹みは、オープンインテークのために特別にデザインされたものだ。さらに、サイドパイプを含む専用エキゾーストシステムなどの改良を加え、出力を標準の506馬力から615馬力に向上させた。

615馬力のV10とオープンインテーク

ちなみに、「マクラーレン パフォーマンス テクノロジーズ」は、ウォーキング出身のイギリスの自動車メーカーではなく、1960年代から1970年代にかけて、ブルース マクラーレンのレーシングカーのエンジンを微調整していたアメリカの外部企業である。

バイパーがダイヤモンドバックと呼ばれるのは、リアに見えるカーボンファイバーに由来する。

当初は「ダイヤモンドバック バイパー」の少量生産が計画されていたが、発表からわずか1年で、ASCが破産申請することになり、ここに紹介するワンオフが残ったのである。

ダイヤモンドバック バイパーはワンオフ

615馬力の最高出力と1,500kgを切る乾燥重量で、「ASCダイヤモンドバック バイパー」は静止状態から時速100kmまでわずか3.47秒で加速する。しかし、かつてのショーカーが16年経っても129kmしか走っていないことから、おそらく前オーナーはこのワンオフの走行性能を過去に使ったことはなかったと思われる。現売主は、2020年から、この「バイパー」を所有している。

ボンネットはカーボン製。

オークションは残り数日、現在の最高入札額は161,777ドル(約2,200万円)と好条件だ。近年、「バイパー」が市場で提示されている約29万5000ドル(約4,000万円)とは、まだかなりの開きがある。しかし、「Bringatrailer」は、このユニークな作品の価値が上がることは間違いないと確信している。

最終的には166,777ドル(2,270万円)で落札された。

Text: Jan Götze
Photo: Bringatrailer.com