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 1月3日、サウジアラビアで開催されているW2RC世界ラリーレイド選手権第1戦『ダカールラリー2023』のステージ3が行われ、BRXハンターT1+を駆るゲラン・シシェリ(GCKモータースポーツ)がステージウイナーとなった。

 第45回大会の競技3日目は、アル・ウラーからハイルへ向かう道中に設けられた全長447kmのステージで争われ、リエゾン(移動区間)を含めた1日の走行距離は669.15kmとなった。当該地域を襲った豪雨の影響で急きょ短縮を余儀なくされた同ステージで最速タイムを記録したのはGCKのシシェリで、ステージ2番手となったヘンク・ラテガン(TOYOTA GAZOO Racing)に3分26秒、3番手に入ったオーランド・テラノバ(バーレーン・レイド・エクストリーム)に5分04秒の差をつけた。

 一方、総合首位でステージ3に臨んだカルロス・サインツ(チーム・アウディスポーツ)は、アウディRS Q e-tron E2の左リヤのサスペンションに問題が発生。トラブルの対処に約30分を要し最終的にトップから56分遅れてステージ44番手/総合8番手でフィニッシュすることとなった。

 そんなサインツを2分12秒差で追いかけていたナッサー・アル-アティヤ(TOYOTA GAZOO Racing)も序盤にタイムロスがあり約20分の後れを取ったが、ライバルの後退によって総合首位に浮上している。トップと13分20秒差で総合2番手につけるヤジード・アル・ラジ(オーバードライブ)がこれを追い、ステージ3で4番手タイムを記録したステファン・ペテランセル(チーム・アウディスポーツ)が続く。首位アル-アティヤと3番手ペテランセルのギャップは20分45秒だ。

 ダカールラリー初優勝を目指すセバスチャン・ローブ(バーレーン・レイド・エクストリーム)は連日のトラブルで大きく順位を下げており、ステージ3終了時点でトップから1時間35分遅れの総合28番手と非常に厳しい状況となっている。

連日のトラブルで大きく順位を下げてしまったセバスチャン・ローブ(BRXハンターT1+) ダカールラリー2023
連日のトラブルで大きく順位を下げてしまったセバスチャン・ローブ(BRXハンターT1+) ダカールラリー2023

■ホンダのブラベックが負傷リタイア

 二輪部門はダニエル・サンダース(レッドブル・GASGASファクトリー・レーシング)がステージ優勝を記録。スカイラー・ハウズ(ハスクバーナ・ファクトリー・レーシング)と前日に自身初のステージウインを飾ったメイソン・クライン(BASワールド・KTMレーシングチーム)、ふたりのアメリカ人ライダーが続く結果に。総合ではサンダースがクラインを逆転し、ステージ4番手タイムを記録したケビン・ベナビデス(レッドブル・KTMファクトリー・レーシング)が総合3番手につけている。首位とのタイム差はクラインが4分4秒、ベナビデスは6分53秒だ。

 なお同部門ではこの日、元日のステージ1を制したリッキー・ブラベック(モンスターエナジー・ホンダ・チーム)がリタイアとなった。2020年のウイナーである彼はステージ3の274km地点で転倒。頸椎に痛みを訴えたブラベックはその後ハイルの病院へ搬送されている。優勝経験者のリタイアは競技初日に姿を消したサム・サンダーランド(レッドブル・GASGASファクトリー・レーシング)に続きふたりめ。

 日本勢では、新型トヨタ・ランドクルーザー・GRスポーツをデビューさせたチームランドクルーザー(TLC)がふたたび四輪市販車部門でワン・ツーを形成した。ロナルド・バソが総合131番手、三浦昂は総合133番手につけている。トラック部門にエントリーしている日野チーム・スガワラは、菅原照仁が駆る日野600ハイブリッドが序盤に発生したタイヤのパンクを除いてノートラブルでステージ3を走破。部門12番手のポジションをキープした。

 1月4日(水)は、ハイルのビバークを起点に同地北側で行われるループステージが用意されている。このステージ4の全長は574.01km、このうち競技区間は425kmとなっている。

ステージ2番手タイムを記録したヘンク・ラテガン(GRダカールハイラックスT1+) ダカールラリー2023
ステージ2番手タイムを記録したヘンク・ラテガン(GRダカールハイラックスT1+) ダカールラリー2023
総合3番手に浮上したステファン・ペテランセル(アウディRS Q e-tron E2) ダカールラリー2023
総合3番手に浮上したステファン・ペテランセル(アウディRS Q e-tron E2) ダカールラリー2023
エリック・ファン・ルーン(オーバードライブ・レーシング:右)と総合首位に浮上したナッサー・アル-アティヤ(TOYOTA GAZOO Racing:左) ダカールラリー2023
エリック・ファン・ルーン(オーバードライブ・レーシング:右)と総合首位に浮上したナッサー・アル-アティヤ(TOYOTA GAZOO Racing:左) ダカールラリー2023
トラック部門総合12番手につけている菅原照仁(日野チーム・スガワラ) ダカールラリー2023
トラック部門総合12番手につけている菅原照仁(日野チーム・スガワラ) ダカールラリー2023
1月3日に行われたステージ3は豪雨の影響で後半部分が短縮となった。 ダカールラリー2023
1月3日に行われたステージ3は豪雨の影響で後半部分が短縮となった。 ダカールラリー2023
ハイルのビバークも大量の雨により泥沼化した。 ダカールラリー2023
ハイルのビバークも大量の雨により泥沼化した。 ダカールラリー2023
二輪部門の首位に立ったダニエル・サンダース(GASGAS 450ラリー・ファクトリー) ダカールラリー2023
二輪部門の首位に立ったダニエル・サンダース(GASGAS 450ラリー・ファクトリー) ダカールラリー2023
274km地点で転倒したリッキー・ブラベック(モンスターエナジー・ホンダ・チーム)は検査のためハイルの病院に搬送された。 ダカールラリー2023
274km地点で転倒したリッキー・ブラベック(モンスターエナジー・ホンダ・チーム)は検査のためハイルの病院に搬送された。 ダカールラリー2023