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やんちゃなカスタムを硬派な(ほぼ)ノーマルに

720型ダットサントラックと、そのカスタム仕様としてリリースされているアオシマのプラモデルを、前期型・ほぼノーマルとして制作した模型作品については、前編の記事(下の「関連記事」を参照のこと)にてお伝えした。ここでは、さらにその詳細について、作者・北澤氏の解説をお読みいただこう。

【画像51枚】ガソリンの香りがする720とその制作工程を見る!

「『ダットラ』の愛称でお馴染みのダットサントラックは、1935年に誕生した10T型をルーツとする、日本最古のピックアップ・トラックだ。1979年に現れた720型は通算八代目で、この世代から正式名称が『日産ダットサントラック』になった。もともと小売業や小規模運送業向けの貨物車として生まれたダットラだが、この世代からは、レジャーユースを意識して内装をグレードアップしたGLや4WDもラインナップされ、日本におけるRVブームの先駆けとなった。  

720のホイールベースは2575mmと2815mmの2種類で、前者は3人乗り標準ボデーのみ、後者にはロングボデー、キングキャブ、6人乗りダブルキャブ、フラットデッキなど多彩なバリエーションが展開された。一般に1983年のマイナーチェンジを挟み前期型:丸目/後期型:角目と認識されているが、実際はデビュー当初から、豪華版グレードのGLにはすでに角型4灯ヘッドライトが採用されている。

荷台からはモーターライズの影響も除去!
アオシマのダットラ720は、元々は1980年代初頭にリリースされた4WDモーターライズ・キットで、スカットルだけでなくフードにもアウトレットがあることから、ベースはMY79/80と思われるが、MY81風の角目グリルで非ストックのオーバーフェンダー付きだった。21世紀に入ってから、ボディはそのままにローダウン・シャシーとスポーティなインテリア、社外グリル&USバンパーを加えて、今風カスタムに仕立て直されている。ローライダーやキャルルックなどのパッケージがあったが、『ザ・チューングカー』シリーズ入りにあたり、選択部品がワンパッケージに統合された。

本作例はこのやんちゃなキットを元に、当時の『真面目なダットラ』を再現しようと試みたものだ。キットはベッド横のフックが5本で一見ロングボデー風だが、長さ寸法自体は標準ボデー相当なので、前期丸目の標準ボデーとして制作した。オーバーフェンダーを除去してパテとプラ板でホイールアーチを作り直し、フードのアウトレット形状を変更、グリルはプラ板で自作している。バンパーもキットの部品を改造して国内仕様の細いタイプに変更。ピックアップのキモであるベッドは、モーターライズの影響で上げ底になっていて違和感があるので底を刳り貫き、プラ板で作り直して約3.5mm深くした。

トリコロールのボディカラーはシェル石油のCIカラーに似ているが、オフィシャルではなく、オーナーが勝手に塗ったもの――横浜・本牧のガソリンスタンドの営業車という設定だ。前後の「危」マークは灯油や固形燃料などの配達に必須で、真面目な労働車の証である。このスタンドの社長はカーマニアで、仕事のアシにもささやかな遊び心を忘れない。前期標準ボデーは本来コラムシフトだが、キングキャブ用フロアシフトに積み替え、事故って潰したケンメリのシートを移植した。サスペンションも業務に差し障り無い程度に軽くローダウンし、エンケイ・ディッシュ&60タイヤで配達帰りの走りを楽しんでいる。空荷のピックアップはナメるとイタい目に遭うから要注意だ」

投稿 前期・標準グレードの丸目グリルも完全自作!アオシマ製プラモ「ダットサントラック」を改造・後編【モデルカーズ】CARSMEET WEB に最初に表示されました。