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電気電子系の勉強を行う上で、昔学校で習った数学の知識が微妙に必要なことがありますので、せっかくだから少し詳しく学び直し、まとめてみました。
『なんでその定理が成り立つのか』という理由まで調べてみたものもあったりなかったりします。

今回は、「和積の公式」についての説明です。

1.和積の公式とは?

三角関数の和積の公式とは、左辺が和になっていて、右辺が積になっている公式を指します

つまり、sinα+sinβ、sinα-sinβ、cosα+cosβ、cosα-cosβの公式です

sinα+cosβなどは調べても公式が出てこなかったですが、実際のところないわけでもなさそうな気もしますがどうなんでしょうね?

とりあえずよく知られている4つの公式について考えていきます。

積和の公式の説明でも述べましたが、この辺から公式の見た目がゴツゴツしてきて単純に覚えるのが困難になってきますので、しっかりと導き方を理解して記憶に定着させるように頑張りましょう。
やり方さえわかってしまえばすぐに導き出せますからね。

肝心の和積の公式は以下の4式となります。

どうしてこうなるかは次の項から証明していきますね。

2.sinα+sinβの証明

まずはsinα+sinβの証明から始めます。

ここでは、積和の公式であるsinαcosβ={sin(α+β)+sin(α-β)}/2を使用していきます
使用すると言っても、ちょっと工夫して足し算するだけなんですけどね。

この関係式において、α=(A+B)/2、β=(A-B)/2を代入してみます。

はい、証明完了です。

3.sinα-sinβの証明

次はsinα-sinβの証明です。

ここでは、積和の公式であるsinαcosβ={sin(α+β)+sin(α-β)}/2を使用していきます

※ この時点でわかったかもしれませんが、残りの証明も積和の公式に何かしらを代入して計算するだけです。

この関係式において、α=(A-B)/2、β=(A+B)/2を代入してみます。

ちなみに、sin(-A)=-sinAです。
x軸y軸上に図示して見ればわかりますが、sin(-A)はsinAをx軸反転させたものとなります。
つまり、y方向の符号が反転するだけです。

4.cosα+cosβの証明

次はcosα+cosβの証明です。

ここでは、積和の公式であるcosαcosβ={cos(α+β)+cos(α-β)}/2を使用していきます

この関係式において、α=(A+B)/2、β=(A-B)/2を代入してみます。

5.cosα-cosβの証明

最後にcosα-cosβの証明です。

ここでは、積和の公式であるsinαsinβ=-{cos(α+β)-cos(α-β)}/2を使用していきます

この関係式において、α=(A+B)/2、β=(A-B)/2を代入してみます。

以上です。

計算は簡単なのですが、証明の為に積和の公式が必要で、積和の公式の証明には加法定理が必要になるので流石にわかりづらくなってきます。
使用頻度はあまり高くないので、解法を頭の片隅に置いといてなんとか引っ張り出せるようになっておくと学校のテストで役に立つかもしれないですよ?

社会に出たらお察しです。

以上、和積の公式についての説明でした。


【基礎から学ぶ三角関数】

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◎三角関数と正弦曲線の関係 ~sin波とcos波について
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◎三角関数と象限 ~角度と符号の関係
◎正弦定理 ~三角形の辺と対角の関係
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◎加法定理とは? ~sin(α+β)の解法

◎積和の公式 ~sinαcosβなどの解法
◎和積の公式 ~sinα+sinβなどの解法
◎二倍角の公式 ~sin2αなどの解法
◎半角の公式 ~sin(α/2)の2乗などの解法
◎逆三角関数 ~アークサインやアークコサインとは?