<p>【箱根駅伝】駒大が2年ぶり8度目の優勝&史上5校目の3冠達成…大八木弘明監督の情熱実る</p><p>【箱根駅伝】駒澤大学が2年ぶり8度目の優勝&史上5校目の3冠達成…大八木弘明監督の情熱実る #スポーツ #sports #ニュース</p><p>【竹内達朗=箱根駅伝取材班キャップ】往路優勝の駒大が復路でも力強い走りを続け、2年ぶり8度目の総合優勝を飾った。同時に史上5校目でチーム初の学生駅伝3冠を達成。選手を「子どもたち」と呼び、我が子のよ</p><p>うに接して成長させた大八木弘明監督の情熱が実った。 今季の学生3大駅伝開幕戦の出雲駅伝(昨年10月)、同2戦の全日本大学駅伝(昨年11月)をいずれも大会新記録で制した駒大は箱根路でも強かった。 往路では、昨年12月に新型コロナウイルスに感染し、体調不良だったエースの田沢廉(4年)が花の2区で意地の走りを見せ、5区ではルーキーの山川拓馬が力強く箱根の山を駆け上がり、2004年以来の19年ぶりの往路優勝を果たした。 復路も盤石だった。往路2位の中大・藤原正和監督、往路3位の青学大・原晋監督はそろって「山下りの6区で勝負をかけたい」ともくろんでいたが、終わってみれば駒大期待のルーキーの伊藤蒼唯(1年)が区間賞を獲得。後続との差を広げた。 7区の安原太陽(3年)は前回3区で首位を奪われた悔しさを力に変えて、首位をがっちりとキープ。区間5位と安定して走った。 8区は赤星雄斗(3年)が区間4位。21年の全日本大学駅伝では優勝メンバーに名を連ねたが、これまで箱根駅伝出場経験はなし。箱根路を走る喜びを力に変えた。 9区は主将の山野力(4年)。昨季、3年生主将を務めたエースの田沢から大役を引き継ぎ、チームをまとめた。ハーフマラソン日本人学生最高記録(1時間40秒)保持者の力を発揮して、区間3位と堅実に走り切った。 最終10区は2年連続で青柿響(3年)。昨年は悔しさが交じる3位でゴールしたが、今回は堂々と優勝のゴールテープを切った。 主力の花尾恭輔(3年)は8区登録から外れ、スーパールーキー佐藤圭汰は補欠登録のままで出番なし。それでも分厚い選手層を見せつけ、躍進した中大やライバルの青学大を寄せ付けなかった。 1990年度の大東大、2000年度の順大、2010年度の早大、16年度の青学大に続いて、史上5校目。駒大としては初の学生駅伝3冠を成し遂げた。 学生3大駅伝の中でも、やはり、大八木監督は箱根駅伝にかける思いが熱く。強い。 家庭の事情などで、福島・会津工高を卒業後、就職し、24歳で駒大に入学した。昼は川崎市役所で働き、夜間学部で学んだ。箱根駅伝では1年5区区間賞、2年2区5位、3年2区区間賞と活躍したが、28歳で迎えた4年時は年齢制限のため出場できなかった(現在、年齢制限はなし)。 「世界で通用する選手を育成する」という箱根駅伝の理念の実現に向けても常に全力を傾けている。田沢廉は21年12月に1万メートルで日本歴代2位&日本人学生新記録の27分23秒44で走破し、昨年のオレゴン世界陸上に出場した。今回の箱根駅伝では出番のなかった佐藤圭汰もトラックで常に世界へ目を向けている。 「平成~令和の駅伝王者」駒大は現状に満足することなく、箱根の山より、さらに高い山を目指して走り続ける。 ◇学生駅伝3冠 10月の出雲駅伝(6区間45・1キロ)、11月の全日本大学駅伝(8区間106・8キロ)、翌年1月の箱根駅伝(10区間217・1キロ)。距離が大きく異なり、期間も約3か月に及ぶ3大会を制することは至難の業だ。1990年度に大東大が実井謙二郎、奈良修らを擁して初めて達成。2000年度は順大が岩水嘉孝、高橋謙介らを軸に成し遂げた。2010年度は大迫傑を擁した早大が達成。それまで10年置きに3冠チームが誕生していたが、2016年度に青学大が一色恭志、下田裕太らを中心に箱根3連覇と3冠を果たした。今季の駒大は6季ぶりに3冠達成。 ◇駒大 1964年創部。箱根駅伝は67年初出場。総合優勝8回。全日本大学駅伝は優勝15回、出雲駅伝は優勝4回。学生駅伝最多の27勝。2015年からで男子マラソン元日本記録保持者の藤田淳史コーチ、22年から高林祐介コーチが加わった。部員は42人、学生スタッフ12人。タスキの色は藤色。主なOBは東京五輪男子マラソン代表の中村匠吾(富士通)ら。</p>