旅館業法では、ノーマスクは宿泊拒否の要件になっていない。ただ、旅館やホテル業者の声を受けた政府は10月に改正法案を閣議決定しており、その内容を簡単に言うと「感染流行時に感染が疑われるのに正当な理由なく感染対策を拒んだ客は、宿泊拒否できる」というものだ。しかし、感染対策とマスクとの関係がはっきりしない上、この改正法案は国会でまだ成立していない。対応に納得できない桜井さんは12月、ホテル側に損害賠償を求めて提訴。ついに法廷闘争に発展した。(共同通信=宮本寛)
▽「警察呼びますよ」
当日の様子を、訴状に沿って詳述するとこうなる。
ウェスティンホテルを訪れた桜井夫妻は、ともに発熱やせきなどの症状はなかった。チェックインを済ませ、軽食とアルコールを提供する会員制ラウンジに向かった。ビュッフェ形式のため、食事を選んでいる桜井さんに、ホテルスタッフが声をかけた。
「お客さま、マスクはお持ちですか?」
桜井さんが無言でいる間、スタッフは「着用をお願いします」と5回繰り返した。食事を運んで着席すると、今度は支配人が現れ、「マスクを着けてください」と連呼された。
桜井さんは「絶対に着けません。食事中にマスクを着けてどうやって食べるんですか?」と返答。すると、支配人は「他のお客さまの迷惑になるので」と述べた上でこう言った。
「ルールに従わないとどうなるか分かっていますか。利用禁止にしますよ」「警察呼びますよ」
警察が来るはずはなく、警察を呼ばれることへの恐れはなかったという桜井さんだが、支配人に対して改めて「警察を呼ぶんですよね?いつ来るんですか?」と聞き返し、「それは脅しになりますよ」と告げた。支配人はこれに対しても「他のお客様の迷惑になるので」と繰り返した。
桜井さんの1~2メートル離れた右側のテーブルには、既に酔っているとみられる顔の赤い男性客2人がおり、左側にも外国人客が一人、いずれもマスクは着用せず飲食していたという。支配人含めスタッフが他の客にマスクの着用や会話の中止を要請することはなかった。
ここで桜井さんは「他の客への迷惑という事実がでっち上げられるかもしれない」と危ぶんだ。頭に浮かんだのは「ホテルの人間が客の横に立ち続けて会話している状況は普通ではなく、隣の客から見ればその状況自体を迷惑と感じるかもしれない」という考えだ。そこで妻とともにラウンジの外に移動。その後もマスクを着けないでいると、支配人は最終的に「お帰りください」と言ってルームキーの返却を求めた。桜井さんはキーを返して帰宅。結局、客室には入っていない。
▽「強制ではございません」
まず、マスク着用を巡る日本政府の基本姿勢を確認したい。
諸外国の中には、コロナ禍でマスク着用や外出禁止を国民に義務付け、罰則も設けた国がある一方、日本では外出禁止やマスク着用の義務付けは一度もない。「要請」「推奨」にとどめている。
厚生労働省が5月に出した関係各所への事務連絡文書では、屋内であっても「他者との距離が確保でき、かつ会話がほとんどない場合は、マスク着用は必要ない」と書かれている。
桜井さんはこうした状況も踏まえた上で、SNSで「マスク着用を強要された」とホテルを批判。チェックイン時やラウンジに入る際には着用を求められなかったことや、他の客もノーマスクでロビーを歩き、ラウンジで飲食をしていたことを挙げ、「スタッフに声を掛けられた時、私は一人無言で食事を取っていただけです。支配人には料理の取り分けを終えて妻と食事を始めてからマスクを着けろと言われたのです」と振り返る。
SNSでこの件を知った弁護士の福永克也さんは、たまたまウェスティンに10月に宿泊予定だったため、メールでホテルにこう問い合わせた。「マスク着用は協力のお願いなのか、義務なのかお答えください」
するとホテル側は「館内でのマスク着用は強制ではございません。もしゲストより着用できない、着用を希望しないとの申し出があった場合で他のお客さまがいる場合は、ソーシャルディスタンスをお取りいただくようにお願いしております」と回答した。
※以下リンク先で
引用元: ・「ルームキーを返してください」高級ホテルの支配人はノーマスク客の宿泊を断った? 法律は宿泊拒否を認めておらず約款にも記載なし [七波羅探題★]
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