日本維新の会は2日、「2対1ルール」と呼ばれる、政府による規制の総量を減らすための制度を導入する独自法案を提出した。アメリカやイギリスなどで先行例があるが、日本の国会で同様のルールが法案化されたのは初めて。
「2対1ルール」は、新しい規制を1つ作る場合には既存ルール2つ以上を撤廃する制度。アメリカではトランプ前大統領が政権発足直後の2017年1月に導入した。イギリスではキャメロン政権時代の2010年代前半に「One-in-two-out」と呼ばれる制度が取り入れられ、カナダでも「One-for-One Rule」という名称で、新規規制のコストを既存の規制コストで相殺する制度がある。日本では規制改革を売り物にする維新が積極的に提唱していた。
法案では、「事業者等による経済活動の活性化を図るとともに行政運営の簡素化及び効率化に資する」と位置付け、国の責務について「規制の新設等に際して、規制の個数が削減されるとともに、規制に関する費用が抑制されなければならないこととすることにより、規制の総量を削減する」などと定めている。
与党側が同法案に賛同し、今国会で成立する可能性は極めて低いが、法案づくりを主導した柳ケ瀬裕文総務会長は党の公式ツイッター動画で「政府は規制の数を数えることも、抑止することもしてこず、規制は増え続けてきた」と問題点を指摘。「(規制が増えることを)少なくとも抑止していく。そのためのモチベーションになるシステムが必要」と意義を強調した。
先程、【規制の総量の削減のための2対1ルールの導入に関する法律案】を参議院事務総長に提出しました。
提出後の柳ヶ瀬総務会長、音喜多政調会長のコメントです。参議院議員 #柳ヶ瀬裕文
参議院議員 #音喜多駿 pic.twitter.com/qXiLMsfW4b— 日本維新の会 (@osaka_ishin) December 2, 2022