カワサキがやってくれた! 本誌スクープどおりNinja ZX-4R/ZX-4RRが2月1日、欧米で正式発表。最高出力は驚きの77psで、ラムエア加圧時は80psをマーク。車重は180kg台と軽量だ。
これは往年のTT-F3レーサー並みのスペックであり、現行の600ccツイン越えも果たした。
海外では最短で2月以降、北米で今春に発売。国内での登場時期は未定だが、最もベーシックなグレードで110万円程度となるか?
文:沼尾宏明
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最強に相応しい「頂点の捕食者」がコンセプト!
EV時代に、とんでもないガソリンエンジンのバイクが発表された――。カワサキが2月1日(日本時間23時)に北米と欧州で発表した「Ninja ZX-4R」は、新作の399cc水冷並列4気筒を搭載。400ccバイク史上ブッチ切りの最大馬力となる77psを発生する。
エンジンと車体は、2020年に登場したZX-25Rをベースにしながら、大幅なパワーアップとこれに見合った足まわり、電子制御デバイスを獲得。マシンコンセプトである「APEX PREDATOR」(頂点の捕食者)を体現しているのだ。
600cc級ツインよりハイパワー! 1万6000rpmまで回る!
まずはエンジンから見ていこう。世界的にも珍しい400ccクラスの並列4気筒は、250ccのZX-25Rをベースに、ボア、ストローク共に拡大し、399cc化。レッドゾーンは1万6000rpm以降で、メーターには1万8000rpmまで刻まれる超高回転型だ。
ZX-25Rからラムエアを踏襲し、最大で80psを実現。ZX-25Rの45ps(ラムエア加圧時46ps)から2倍近いパワーを達成している。これは当webを含め、大方の予想を軽く上回るスペック。SNSでも驚きの声に満ちているのだ。
このパワーは国内仕様の歴代400ccクラスでブッチ切りの最高峰。従来はスズキGSR400の61psが最強(2009年型以降)で、昨年10月末に生産終了したCB400SF/SBは56psだっただけに、いかにZX-4Rがハイパワーかわかるだろう。
さらにMT-07とYZF-R7(73ps)、Ninja650(68ps)など600ccクラスの並列2気筒モデルをも凌駕。後述するが、車重もこれらと同等なのだから実にレーシーだ。
エンジンの吸気ポートはZX-10Rと同じ2段階で機械加工されたストレート形状。カムシャフトは軽量な鍛造だ。電子制御スロットルはZ H2と同様の最新プラットフォームとするなど、大型バイクの技術を投入している。
吸気バルブは大型の22.1mm径で、排気バルブは19mm径。さらにトリプルレートのバルブスプリングで高回転化を達成したという。バルブ挟み角は24.8度と狭く、燃焼効率の向上とコンパクト化を両立させた。
電脳はパワー+トラコン連動型の4モードに進化
合わせて、電子制御系も上級版に進化した。
ZX-25Rでは、2種類のパワーモード(フル/ローパワー)と3種類+オフが選べるトラクションコントロールを採用していた。ZX-4Rもこれは同様だが、新たに統合的な4モードを導入。パワーとトラコンが連動するスポーツ、ロード、レイン、ライダー(マニュアル)の4パターンが選択可能となった。
メーターは、従来型ZX-25Rがアナログ式タコ+液晶スピードメーターだったのに対し、4.3インチTFT カラー液晶を採用。スマホとの無線接続も可能だ。
Wディスクとワイドタイヤ導入、上級サスのRRもアリ
車体は、ZX-25R譲りの高張力鋼トレリスフレーム+湾曲スイングアームを採用するが、パワー増に合わせてブレーキを強化。ZX-25Rのフロントシングルディスクに対し、セミフローティングのWディスクを採用する。
タイヤは前後とも1サイズワイド化。フロント120/70ZR17、リヤ160/60ZR17となり、80psを受け止めてくれるハズだ。
SEグレードと最上級グレードのZX-4RRはプリロードが調整可能なショーワ製SFF-BPを採用。さらにZX-4RRのリヤには、カワサキ最高峰スポーツのZX-10Rも採用するショーワ製BFRC-liteを奢る。
これらの装備を採用しながら車重は軽量だ。STDとSEは188kg、RRは189kgで、いずれもZX-25Rからわずか5~7kg増に抑えている。
600cc2気筒を超える80psのパワーに、250並みの車重。これは1980年代に市販車ベースで争われた4ストローク400ccのTT-F3ワークスマシン並みのスペックである。しかも当時にはない電脳デバイスまでZX–4Rは装備するのだ。
RRは140万円程度? STDで110万円切りだと嬉しい!
2月2日時点で北米および欧州仕様のみ発表されており、日本仕様のアナウンスはされていない。
気になる価格は、北米仕様のRRで9699ドル(約125万4000円)。ちなみに北米版Ninja400は5299ドル(約68万5000円)で、国内では75万9000円で販売されている。この計算だとZX-4RRの日本仕様が登場する場合、138万円程度になるか?
装備が簡素なSTD仕様は価格が未発表だが、国内で110万円を切るプライスだと嬉しい。400ccクラスとしては高めの値段設定だが、4気筒のCB400SBは104万600円だった。そして、これほどレーシーな400cc公道モデルは史上初だけに個人的には決して高くはないと思える。
導入時期は2月以降で、北米は今春、欧州では今年秋の発売予定がアナウンスされている。国内の発売時期は不明ながら、今年3月の大阪&東京モーターサイクルショーで実物を拝める可能性が高いだろう。そして10月26日開幕のジャパンモビリティショー(旧称・東京モーターショー)で正式発表となるか?
いずれにせよ、ワクワクする内燃機関バイクの登場を拍手をもって迎えたい。国内登場と実際に走行できる日が待ち遠しい!
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投稿 激アツ、ヨンヒャク史上最強80psでキタ! レーサー並みのカワサキZX-4Rをジックリ解説 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。