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<p>熊本城宇土櫓の石垣復旧、工法を再検討 大規模解体も視野に 発見された遺構守るため|熊本日日新聞社</p><p>熊本城宇土櫓の石垣復旧、工法を再検討 大規模解体も視野に 発見された遺構守るため|熊本日日新聞 #熊本のニュース #熊本日日新聞 #熊日 #熊本 #熊本城宇土櫓 #熊本城 #宇土櫓 #熊本地震</p><p></p><p>宇土櫓の石垣復旧に伴い、熊本市が続櫓下の石垣の西側に築造を検討している「はばき状の石垣」のイメージ図(熊本市提供、画像を一部加工) 熊本地震で被災した熊本城宇土櫓[やぐら](国重要文化財)の石垣復旧について、熊本市は1日、これまで検討していた工法を見直し、大規模解体を含めて再検討する方針を明らかにした。同日の熊本城文化財修復検討委員会(委員長・山尾敏孝熊本大名誉教授、6人)で報告し、委員に承認された。 宇土櫓は、慶長年間(1596~1615年)の創建とされ、3層5階・地下1階の多層櫓は築城当時の姿を残す。地震では基礎や柱が破損し、石垣の膨らみも生じた。特に付属する続櫓下の石垣に大きな膨らみが確認されている。 これまでの委員会では、遺構への影響を少なくするため、膨らみの大きい続櫓下の石垣の西側に鉄筋コンクリート工法で新たに「はばき状の石垣」を築き、膨らみを押さえて補強する工法を検討していた。しかし、昨年実施した西側の空堀の発掘調査で、地下4メートルにわたって江戸期の堆積土に埋没した石垣が出土。その後の調査で、宇土櫓の石垣の大部分が江戸期に修復された可能性があることも分かった。 宇土櫓の石垣の復旧工事の方法として検討されている「はばき状の石垣」を、頬当御門土橋から見た際のイメージ図(熊本市提供) 市はこの日の委員会で、はばき状の石垣を新たに造れば、重さで約18センチ沈下し、これらの遺構を傷つける恐れがあると報告。さらに、はばき状の石垣が頬当[ほおあて]御門土橋から約2メートル高くなることで景観を損なうため、大規模解体を含めて工法を再検討するとした。 委員からは、「遺構を傷つけて本質的価値の保存ができないのであれば、再検討する余地はある。遺構だけでなく景観も保全していく必要がある」と、同意する意見が相次いだ。 続櫓下以外の石垣復旧についても、委員からは「はばき状の石垣を造るには、同じように景観への配慮が必要。大規模解体する場合でもどこまでするのか範囲について議論を深めてほしい」との注文もあった。 宇土櫓の復旧は2032年度に終了予定。市は、工法の再検討による工期への影響はないとしている。(鬼束実里)</p>