スバルXVのモデルチェンジ版にあたるクロストレックが国内で正式発表された。税込み価格は266万2000〜328万9000円で、月販2600台が計画されている。
シャシーには引き続きスバル・グローバル・プラットフォームが使われているが、レヴォーグと同じくフルインナーフレーム構造に改良されてサスペンション取り付け部の剛性が高められた。ボディ全体の剛性も上がっており、併せて軽量化も実現。
パワートレインは2Lボクサー4と電気モーターが備わるe-BOXERに集約され、純エンジン車はラインナップから姿を消した。また、4WDモデルより22万円安の2WD(前輪駆動)モデルが新設定されるのも見逃せない。
EyeSightは国内向けスバル車で初めて広角単眼カメラが用いられることで、低速時に横から飛び出してくる歩行者や自転車を検知する性能が引き上げられた。おかげで右左折時に内側(自車と同じ方向)から飛び出してくる横断歩行者、自車より速い速度で横から飛び出してくる自転車も検知可能になった。多くの対象物に対して認知・判断・操作が必要な交差点での事故に有益で、我われドライバーは自認している以上に実際は視野が狭く、それをカバーしてくれる。スバルの技術本部で副本部長を務めている植島和樹さんは「判別できる物体を増やせるよう、AIを使っての予測判別にも取り組んでいく」として、今後も性能を向上させていく意気込みを語った。
衝突時に生存空間をしっかりと確保するためには頑丈なAピラーが欠かせない。スバルで車両安全開発部に属している古川寿也さんは「ピラーを軽く硬く作るために工法を変えることも研究している」と述べる。その反面、国内の交通事故で死者数が全体の35%を占める歩行者にとって硬いAピラーは脅威となってしまう。そこでスバルは歩行者エアバッグの標準化を進めており、すでに6車種で展開している。今後は自転車と衝突した時にも同様に相手を守るために「エアバッグを上方へと拡大して覆う範囲を広げることも検討中。20年代後半の実用化に向けて取り組んでいる」(古川さん談)とのこと。
外観は力強さと逞しさを感じさせるデザインに仕上がっている。ボディ側面では樹脂パネルの面積が拡大され、18インチホイールの採用と相まって高い走破性を予感させるルックスに進化。
一方、インテリアは包まれ感をもたらすインパネ形状やシルバーステッチ入りシートによって質感の高さが演出されている。オプションで本革シートも選べる。また、センタークラスターにはレヴォーグなどに採用済みの11.6インチのインフォテイメント画面を起用。