今年は兎年。飛躍の年といわれています。そんな年には新車を買って今まで行ったことのないようなところに旅行してみるのもいいかもしれません。
新車購入でチャンスといわれているのが毎年3月と9月。これは決算時期だからです。決算前に少しでも売り上げを伸ばしたい店側が積極的に販売してきますから、買い替えのチャンスだと言われています。コロナ禍以降は部品の調達などが遅れ、販売や納期が思うようにならない車種も少なくないですが、やはりこの時期にクルマ購入を考えている人は多いのではないでしょうか。
そのためには、いまから情報を収集しておくことが大切です。そこで今回は、新車購入時にしか手に入らないオプションについてお伝えします。
文/松崎隆司、写真/AdobeStock、トヨタ
■買い取り価格が50万円アップすることも
「新車を購入する時に、特に注意したいのがオプションです。実はオプションひとつで中古車の買取価格が50万円も違うことがあるんです」
こう語るのはオートモビリティ企業プレミアグループの流通事業部担当者です。
クルマのオプションにはメーカーオプションとディーラーオプションがあります。「メーカーオプション」とは工場出荷時の状態で装着され、それ以降変更の効かないものです。つまり最初に選んだクルマにだけついているものです。例えばボディカラー、サンルーフ、レザーシート、ナビシステムなど。
一方「ディーラーオプション」は工場出荷されたクルマに対してディーラーがつけるもので、シートカバー、サイドバイザー、ナビシステム、オーディオ、エアロパーツなどがあります。これは基本的にはクルマを購入したあとでも改めて購入することができます(別表1)。
今回は新車時だけしか手に入らないメーカーオプションについてお話しましょう。
「メーカーオプションで一番わかりやすいのはボディカラーです。人気はパールホワイト。最近はツートンカラーもありますが、パールホワイトだと3万円から8万円ぐらいのオプション価格が追加されます」
メーカーオプションのカーナビも、リセールする時に重要な要素となります。
「メーカーオプションナビは市販のナビゲーションとは違い、出荷時にしか設定できませんから貴重です。たとえば天井に取り付けることのできるフリップダウンモニターを設置することで、ドライバーだけでなく、リアシートからでも映像を楽しむことができます。テレビや動画は見れるモニターなどはメーカーオプションになっています」
メーカーオプションは緊急通報などがついているなど独自仕様がウリなのです。
このほかサンルーフもメーカーオプションになります。最近では大きなガラス張りのパノラマルーフなどがあり、高価格帯の車種などにはオプション設定されているケースがあります。たとえばアルファード、ヴェルファイア、ランドクルーザー・プラド、レクサス、日産のエルグランド、セリナ、スカイラインなどの車種には搭載可能となっています。
「価格帯が400万~500万円のものにはそうしたオプションが用意されています」
レザーシートも注目だ。
レザーシートは高級車種の上位車種にはすでに標準装備されています。高級車は新車が高いぶん、リセール価格の値下げ額が大きくなってしまう可能性がありますが、そうしたオプション装備をつけることで値下がりを押さえる効果もあるようです。
「シート地の変更も、メーカーオプションにしかありません。ボディカラーとレザーの色との組み合わせによっても価格差が出ます。基本的には黒いレザーですが、<ベイジュ、ホワイト>に人気があります」
■オプション代ぶんは下取りでカバーできる
最近では標準装備されているものも多い、センシングなどの安全技術もメーカーオプションになっています。トヨタセーフティセンス、ホンダセンシングといった名前でメーカーサイドから大々的に打ち出されています。
「今後はすべてのクルマについてくるのと思いますが、中古車市場では注目の機能です」
たとえば衝突する前に自動でブレーキをかける「衝突軽減ブレーキ」やカメラで前走車との距離を測って、速度を減速したり加速したりする「アダプディブ・クルーズ・コントロール」。比較的大きめのクルマについていることが多いのですが、ミラーなどでは確認しにくいブラインド部分、クルマの前の方などを映し出してくれる「ブラインド・スポット・モニター」など。
「これらはいろいろな装備とセットになっているケースが多いですが10万~20万円のオプション価格のものが多いと思います。リセールする場合にはこうした装備を新たに付けることができないので、10万円ぐらいアップにはなります」
あとは中古車市場で価格に大きな影響を与えるわけではないですが、中古車市場でニーズがある機能としてはパワースライドドアです。ミニバンなどのクルマに搭載されるのですが、背の高いクルマについている電動ドアはメーカーオプションになります。最近ではそうしたものに対するリセール市場での人気も高いようです。
「パワースライドドアには左側は標準でついているケースが多いのですが、右側はメーカーオプションになるケースが多いようです。こうしたものも付けられるのであれば、両側につけたほうがいいと思います」
このほかには利便性という意味ではスマートキーです。昔の言い方ではキーレスエントリーです。カギを持ったままドアノブに触れるだけで開錠、施錠できる機能ですが、これも一部のクルマではオプション設定になっています。
このほか、LEDヘッドライトも標準装備でついているクルマは少ないようです。そのLEDの数が何個になるのか、というのがオプションになっていて決まってきます。3つ以上のタイプを選択することに関心が広がっています。
■両側パワースライドとサンルーフ
最後は車種で見ていくとしましょう。
「アルファードではサンルーフと両側電動スライドドアは絶対につけてもらいたい。レクサスならサンルーフが必須。レザーシートは好みが分かれるので予算があえば、ぜひおすすめしたいと思います」
このように、ミニバンであれば両側パワースライドドアのついてるものに人気があるようです。またサンルーフの設定のあるものは付けたほうがいいでしょう。
メーカーオプションにはアクセサリーコンセントというものもあります。単純なコンセントですが、災害などいざというときに電力を供給することができるので、まさかの時の対策になるのではないかと思います。
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