もっと詳しく

〈あらすじ〉日本に帰る途中に遭難した仲麻呂は再び唐に戻る。家では妻の玉鈴が、内装や衣装を日本風にしつらえて待っていた。 ◇ ◇ ◇ 仲麻呂は玉鈴をそっと被子(掛け布団)でおおった。すでに十一月の後半になり、夜の冷え込みが厳しくなっていた。 閨(ねや)の一角が妙に明るい。身を起こしてみ…