フェラーリF1の新チーム代表フレデリック・バスールは、フェラーリでの業務の引継ぎが円滑に行くよう協力を惜しまなかったとして、前任者のマッティア・ビノットを称賛した。
昨年11月末、フェラーリはF1の2022年シーズンがアブダビGPでフィナーレを迎えてから10日後に、ビノットがチーム代表を辞任すると発表した。ビノットは年末までマラネロに留まり、自身の離任、またバスールの着任を視野に入れながらフェラーリの日々の業務を差配してきた。
「プロセスは単純明快だった」とバスールは説明した。
「アブダビの時点でメディアではうわさが流れていたが、私たち自身はまだ話し合っていなかった」
「最初の会合を持ったのはアブダビGPの1週間後だった。そこからは極めて迅速に事態が進展した。それからマッティアと電話でやり取りし、引継の段階で直接会ったりもした。一対一で話し合ったのだ」
「これについてはマッティアに感謝したい。年末まで留まり私を待つという決定を、彼は自発的にしてくれた。それによっていろいろと話し合う機会が持てたのだから」
ビノットは、円滑な引き継ぎのために心を砕き、フェラーリが2023年に向けて万全のスタートを切れるようにあらゆる助言を惜しまなかった。またバスールは、フェラーリの元チーム代表ジャン・トッドとの会合が設定されていることを明かした。トッドは約20年前、フェラーリに何度も世界王者のタイトルをもたらした人物だ。そのトッドに会うことで、F1で最も成功したチームのマネジメントについて貴重なアドバイスを受けようというのだ。
「ジャンとは何度か意見交換をしたのは間違いない。彼はF1界に近いところにいるからだ」
「WhatsAppを使って数週間前にメッセージをやり取りしたし、もうすぐ直接会って話をする。どんなアドバイスも歓迎するのは無論だが、一方では94年、95年頃と2022年の状況とを比べるのは非常に難しいという気もしている」
ビノットの退任を受け、トッドが顧問的立場としてフェラーリに戻るのではないかと予測する向きもあった。トッドは2021年末でFIA会長の職を退いているが、バスールはそうした動きはまったくないと言明した。
「ジャンとは20年以上前からの知り合いだ。仕事上、彼とは常に近い位置関係にあった」
「彼と話し合うことは理に適っているが、コンサルタントになってもらうといったものではない。ジャンとは親しい間柄だと思っており、それ以上でもそれ以下でもない」