一方で今の日本では、サンライズ瀬戸・出雲などはあるものの、かつてのブルートレイン全盛時のような時代が来るのは、ほぼ不可能といえる。ひとつは採算性の問題、もうひとつはJRの地域分離による各社間の乗り入れや運賃収入分配の難しさ、また航空機や高速路線バス、さらには身内でもある新幹線といった強力なライバルがあることも要因と言えよう。
夜行列車の運行には、それなりのお金がかかる。寝台用リネンなど、通常の列車にはないコストがかかる上、車両は基本的に夜行専用車両で、他の列車に使い回しができないから、寝台車自体がお金を生み出しにくい。
ヨーロッパの場合、常に利用者がいる路線を除いて、補助金がなければ採算割れする路線もあり、例えばウィーン~アムステルダム線は、オランダ政府からの補助金供出が運行の条件となっていたことから、その話し合いが一時滞ったことで、運行開始が遅れた。
鉄道会社の多くは民間企業のため、採算割れする路線の開設が難しいことは日本と同じで、そこに国からの補助があるかどうかが焦点となる。日本の場合、JR各社に対して夜行列車運行の補助金があるわけでもないから、よほど勝算がない限り、再度の本格参入は期待できないだろう。
国鉄が地域分割されたことで、ダイヤ作成上のネックがあったり、運賃収入の分配で得をしたり損をしたりする会社が出てしまうことも問題だった。九州方面のブルートレインが存命だった頃、車両の維持管理は両端のJR九州、JR東日本が担当していたが、運賃収入の分配金は走行距離の長いJR東海やJR西日本へ多く渡っていた。これではJR九州とJR東日本に運行を維持するメリットは見いだせない。
ヨーロッパの場合、上下分離方式とオープンアクセスによって、運賃収入は列車を運行する会社(=車両を維持管理する会社)が全額もらい、そこから走行する各国インフラ会社へ線路使用料を払う仕組みだから、コストを差し引いても十分なお金が手元に残る計算だ。
最後の、競合する他の交通機関について、日本では、航空機や高速バス、新幹線の発達によって夜行列車利用者が激減したことが、衰退の主たる理由だった。ヨーロッパでも格安航空会社(LCC)や高速路線バスの存在は脅威といえるが、LCCと鉄道は速達性や料金面で完全に競合しているとは言えず、距離や所要時間、目的地などでそれぞれを使い分ける人が多い。
例えば、フランスのパリからデンマークのコペンハーゲンへ、現在は直通列車がない鉄道で日中に移動する人はいるだろうか。鉄道が好きで、乗り換えがあっても陸路で移動したいという人以外、何本も飛んでいる直行の航空便を普通は使うだろう。
夜行列車の場合、飛行機の最終便が出発した後に発車し、始発便が到着する前に目的地に到着できる、それでいてある程度の需要が見込める区間、というのが大まかな条件となり、それに高速列車運行の有無なども条件として加わって来るだろう。そうした区間は、新たに参入を目指す民間企業が検討しているルートとして候補に挙がっており、距離や所要時間を考えても妥当なルートといえる。
一方の高速バスについては居住性などサービス面で差があり、ここもすみ分けができている印象を受ける。高速バスのチケットは、購入するタイミングによっては破格とも言える安値で売られているため、若者を中心に人気となっているが、注意したいのは日本の高速バスのような居住性や乗り心地は一切期待できないという点だ。
ヨーロッパの高速バスで使用されている車両の大半は、採算性を重視して60人以上が乗車できる詰め込み設計となっており、非常に窮屈で、座面も硬く快適さとは程遠い。日本で運行されている3列独立フルリクライニングシートの車両は、ヨーロッパではほぼ見かけない。高速バスは、所要時間や快適性を犠牲にしても、とにかく安く移動したいという人や、それしか移動手段がないという人が利用する乗り物と考えてよい。
また、ヨーロッパでは「追い風」も吹く。ここ数年、環境問題がクローズアップされるようになってから、鉄道利用を促す風潮が今も続いている。夜行列車の復活にも大いに関係していて、この機に乗じて各鉄道会社は路線網の拡充にかじを切っている。
※以下リンク先で
Merkmal2023.2.1
https://merkmal-biz.jp/post/31773
引用元: ・【鉄道】ブルートレイン消滅の日本と何が違うのか? 欧州で「夜行列車」が増え続けるワケ [七波羅探題★]
もうサンライズエクスプレスしかないからお早めに
比較にすらならねーよ
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